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2023 Fiscal Year Research-status Report

温暖化により難分解性土壌有機物の分解が促進される新たなメカニズムの解明

Research Project

Project/Area Number 23K11389
Research InstitutionShinshu University

Principal Investigator

國頭 恭  信州大学, 学術研究院理学系, 教授 (90304659)

Project Period (FY) 2023-04-01 – 2026-03-31
Keywords土壌酵素 / 温暖化
Outline of Annual Research Achievements

黒ボク土を対象に,コントロール区,セルロース添加区,グルコース添加区,窒素添加区を設定した.それらの土壌を23℃と33℃で40日間と80日間培養した後,全ての試料を23℃と33℃で,9段階の基質濃度で、セルロース分解に関わるβ-グルコシダーゼ活性を測定した.これらの結果をミカエリス・メンテン式にあてはめ,VmaxとKmを算出した.
33℃で80日間培養後のコントロール区のKm値は、23℃で80日間培養したコントロール区よりも低い値を示した.この結果は高温への適応あるいは炭素欠乏の可能性が考えられていたが,セルロース添加区ではKmの低下は見られなかったことから,炭素欠乏により生じた可能性が高い.
通常,酵素は測定温度が高いほど,Vmaxは高くなる。それと一致して、33℃で土壌を培養したコントロール区の場合,40日培養後のVmaxは23℃測定より33℃測定で大幅に上昇したが,80日間培養では両測定温度のVmaxは同等であった.同様の傾向はセルロース添加区でも見られた.酵素の温度適応には構造を安定化させるために固くなり,測定温度が上昇してもVmaxがあまり増加しないことが知られている.このため, 80日間培養で高温に適応したBGが多く生産された可能性がある.
グルコース添加区では、33℃培養では40日間培養でVmaxが減少しており、これは酵素活性が上昇したことで炭素源を使い果たし、微生物が減少した影響であると考えられる。また、グルコース添加区のVmaxはセルロース添加区のVmaxよりも低くなっており、これはグルコースがBGの対象の基質でないことが原因と考えられる。
今回の温度適応の実験では、酵素の適応のみでなく、炭素源の消費やその酵素の基質であるかどうかも影響し、それらについても留意する必要がある。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

実験量が多いため試料数は少なめであるが、概ね順調に進展している。

Strategy for Future Research Activity

今後、リグニン分解に関わる酵素の高温適応について実験を進める予定である。

URL: 

Published: 2024-12-25  

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