2023 Fiscal Year Research-status Report
Identification of "place" and estimation of "amount" of methane production in rivers
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23K11412
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Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
土屋 健司 国立研究開発法人国立環境研究所, 地域環境保全領域, 研究員 (70739276)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 河川 / マスバランス / メタン / メタン酸化 / 放出フラックス / 河床 / 流速 |
Outline of Annual Research Achievements |
河川はメタン放出のホットスポットとして注目され,その排出量は湖沼・ダムの合計値に匹敵する可能性が報告されている.河川での溶存メタン濃度は,河川内の主に河床で生産される内部負荷と,地下水などを通じて流入する外部負荷で増加し,大気への放出とメタン酸化によって減少する.本年度はマスバランス法によるアプローチで河川におけるメタン負荷速度推定を試みた.具体的には支流の流入が無く,流量変化がほとんどない流程区間を調査対象とすることで,外部メタン負荷量を0と仮定して,河床からのメタン供給である内部メタン負荷速度の推定を行った.調査は茨城県を流れる農業河川の小貝川(利根川水系)で実施した.流程間におけるメタン濃度変化,水中におけるメタン酸化速度,大気へのメタン放出速度の3つを実測及び計算し,これらのパラメータから正味の内部メタン負荷速度を見積もった.流程間の流下時間は,流速を実測して計算した.全体の溶存メタン濃度は102 nMオーダーで変動した.大気へのメタン放出速度は多くの場合でメタン酸化速度を上回り,メタンの消失過程として大気への放出フラックスが卓越したことが明らかとなった.推定された小貝川の河床からの内部メタン負荷速度は,茨城県内の霞ヶ浦底泥中における正味のメタン生成量と同等の値を示した.以上のことから,富栄養湖の湖底と同レベルの内部負荷メタン生成速度を,小貝川の河床が有している可能性が示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
河床からのメタン負荷速度の実測は難しいがマスバランス法によって推定することに成功したため.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究によるマスバランス法を他の河川に敷衍することで,内部メタン負荷速度の河川間比較を実施する.また,河床におけるメタン負荷速度の実測方法の検討を行う.
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Causes of Carryover |
予定していた物品購入が遅れたため
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Research Products
(8 results)