2023 Fiscal Year Research-status Report
Epigenomic programming-dependent low dose rate radiation effects Induced by the prenatal nutritional environment
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23K11428
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Research Institution | Institute for Environmental Sciences |
Principal Investigator |
杉原 崇 公益財団法人環境科学技術研究所, 生物影響研究部, 主任研究員 (50715472)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 低線量率放射線 / エピジェネティック / 胎児期 / 肥満 |
Outline of Annual Research Achievements |
福島原発事故以来、低線量率放射線のリスクに関しての社会的関心は高い。一般的に放射線リスクの研究は原爆被爆者などの高線量率照射の急性被ばくのデータを基に展開しているが、低線量率放射線の影響を原爆被爆と同様のメカニズムによるものとして議論することに疑問が持たれているのが現状である。また、原子力施設作業者調査等の低線量率放射線被ばく影響の疫学的知見はあるものの、リスクに関する科学的根拠は依然として不明である。このような現状の下、低線量率放射線被ばくのマウス実験モデルを活用した、ヒトの放射線被ばく影響の解明が必要とされている。今回、胎児期の低栄養状態がその後の低線量率放射線影響を決定する要因になる可能性の理解をテーマに研究を申請した。この研究は、放射線影響の個人差に影響する要因を明らかにする世界で初めての試みであり、その結果は放射線生物学の新たな視点を提供する。我々の研究は、胎児期の低栄養状態が成体の肥満や生活習慣病の発症に影響を及ぼすという仮説に基づいている。これまでの研究では、放射線照射による肥満などの表現型の差異は個体差として解釈されてきたが、胎児期に形成されたエピジェネティックな変化による影響は考慮されていなかった。今年度は、この問題に取り組むために、まずマウスの交配を行なった。その結果、栄養条件の異なる母親から胎児を産ませることに成功し、これらのマウスに対して低線量率放射線の照射実験を行い、胎児期の低栄養状態が低線量率放射線誘発性の肥満を促進するか否かを調査した。研究はまだ途中段階であるが、既に得られた結果は、胎児期の栄養状態が放射線影響に重要な役割を果たす可能性を示唆している。今後、この研究をさらに進め、詳細な解析を行うことで、放射線影響の個人差を理解する新たな道筋を開くことを目標とする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、B6マウスC3Hマウスの交配を行なった。その結果、栄養条件の異なる母親から胎児を産ませることに成功し、これらのマウスに対して低線量率放射線の照射実験を行い、胎児期の低栄養状態が低線量率放射線誘発性の肥満を促進するか否かを調査した。研究はまだ途中段階であるが、既に得られた結果は、胎児期の栄養状態が放射線影響に重要な役割を果たす可能性を示唆している。今後、この研究をさらに進め、詳細な解析を行うことで、放射線影響の個人差を理解する新たな道筋を開くと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
栄養条件の異なる母親から胎児を成長させ、これらのマウスに対して低線量率放射線照射を行い、胎児期の低栄養状態が低線量率放射線による体重影響があるか否かを明らかにする。研究はまだ途中段階であるが、既に得られた結果は、胎児期の栄養状態が放射線影響に重要な役割を果たす可能性を示唆している。今後、遺伝子発現や血清解析などを行い、マウスの特徴についての知見を得る。また、研究をさらに進め、詳細なエピジェネティック変化の解析を行うことで、放射線影響の個人差を理解する新たな道筋を開くことを目指す。
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Causes of Carryover |
マウスの実験に使用する分子生物学的な実験を次年度にすることとしたため
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