2023 Fiscal Year Research-status Report
Mechanism of action for aggravation of skin diseases under the exposure of fine particulate matter (PM2.5) to various skin barrier condition
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23K11436
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
河野 まおり 大阪大学, 大学院薬学研究科, 特任助教(常勤) (60880995)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石原 康宏 広島大学, 統合生命科学研究科(総), 教授 (80435073)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | PM2.5 / 再構築ヒト皮膚モデル / ケラチノサイト / CXCL1 / IL-8 |
Outline of Annual Research Achievements |
「微小粒子状物質(PM2.5)の皮膚バリア機能との関連性および皮膚疾患増悪メカニズム解明」のため、サイクロンを用いて収集した都市型PM2.5を用い、PM2.5が皮膚に及ぼす影響を検討した。ヒト皮膚は強固なバリア機能を有しているが、生活様式や生活習慣、疾患等の様々な条件によってバリア機能状態が変化する。一方、ヒト初代ケラチノサイト細胞を気相培養によりエアリフト・分化誘導させた再構築三次元ヒト皮膚モデルは、ヒト皮膚に類似した構造を有しており、比較的入手が容易であるため、まずは再構築三次元ヒト皮膚モデルによる検証を実施した。ネブライザーで微粒子化させ都市型PM2.5をアクリル製のチャンバーボックス内に充填させ、表皮層側から都市型PM2.5曝露させた再構築三次元ヒト皮膚モデルは、サイトカイン放出には影響しなかったものの、CXCL1やIL-8などのケモカインのmRNA量の上昇に伴い、各タンパク質の産生量を有意に促進させることを見出した。また、都市型PM2.5を処置した再構築三次元ヒト皮膚モデルの培養上清を用いて好中球を培養した結果、好中球のCXCR2依存的な遊走を大きく促進させた。都市型PM2.5 が皮膚に曝露されることで好中球性の炎症が惹起することも併せて考察できる結果を得ている。 また、PM2.5の活性酸素除去機能を指標とした植物エキス成分のスクリーニングを実施し、一部の植物エキス成分において活性酸素除去機能を有することを見出し、それらの成分においてCXCL1、IL-8等のケモカイン量の抑制(mRNA, Protein放出)にも効果を示すことを確認している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要の項に記載の通り、ヒト摘出皮膚を模した再構築三次元ヒト皮膚モデルを用いてPM2.5の影響を検討し、炎症惹起にかかわるケモカインの放出を見出しており、PM2.5曝露による皮膚状態増悪の可能性が示唆されている。あわせて、それらケモカインを指標とした植物エキス成分のスクリーニングにより、一部ヒット成分を見出していることから、概ね順調に進展していると考えている。次ステップのヒト摘出皮膚を用いた検討についても着手している。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒト摘出皮膚の水分蒸散量を指標とした、種々のバリア機能低下条件を見出し、摘出ヒト皮膚を用いて都市型PM2.5の気液界面曝露する。バリア機能状態に応じた皮膚健康被害につながる因子の探索およびメカニズム解明を行う。
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Causes of Carryover |
摘出ヒト皮膚の購入価格上昇に伴い、前年度分の繰り越し金を次年度に併せ、実験に必要な摘出ヒト皮膚disc数の購入に充てる予定である。
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