2023 Fiscal Year Research-status Report
大気圧低温プラズマ複合処理による低濃度N2O除害技術の開発
Project/Area Number |
23K11478
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
黒木 智之 大阪公立大学, 大学院工学研究科, 准教授 (00326274)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 晴彦 大阪公立大学, 大学院工学研究科, 准教授 (10780900)
大久保 雅章 大阪公立大学, 大学院工学研究科, 教授 (40223763)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 亜酸化窒素 / 温室効果ガス / 大気圧低温プラズマ / 吸着 / 濃縮 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、大気圧低温プラズマと吸着剤および触媒を併用した大気圧低温プラズマ複合処理により、排ガス中の亜酸化窒素(N2O)を濃縮分離させプラズマと触媒の相乗効果による高効率N2O処理技術を開発することである。大気圧低温プラズマ単独での排ガス処理は数多く研究されているが、処理対象が低濃度の場合には処理効率が低く、処理効率を上げるためにエネルギーを投入しすぎると、窒素酸化物(NOx)や一酸化炭素(CO)、N2O、オゾンなどの有害な反応副生成物を発生するという問題があった。この問題を解決すべくプラズマ発生装置内あるいは下流にに充填した吸着剤により低濃度N2Oガスを濃縮し、その後、大気圧低温プラズマを発生させ、吸着剤表面に濃縮されたN2Oガスを効率よく分解させることを試みる。2023年度は、過去に実施したNOx、揮発性有機物(VOC)、CO2処理の研究で使用したプラズマリアクタを基に本研究で用いる大気圧低温プラズマ複合リアクタの設計および試作を行った。プラズマの発生方式としては高電圧パルス電源を用いた誘電体バリア放電を採用し、放電(プラズマ発生)領域あるいはその下流に吸着剤を充填できる構造とした。N2Oを吸着・濃縮するための吸着剤の選定を行うため、吸着剤メーカーに相談し、ゼオライト系の吸着剤の中からN2O吸着剤の候補をいくつか選定した。また、リアクタのN2O処理の基礎特性の把握を行うために吸着剤のない状態での20ppm以下の低濃度N2O分解実験を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していたN2O処理に用いる大気圧低温プラズマ複合リアクタの設計および試作を行うことができ、また、N2Oを吸着・濃縮するための吸着剤を選定するにあたって、吸着剤メーカーに相談し、各処理プロセスに最適な吸着剤の選定を行うことができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
予定通り、吸着剤を充填した大気圧低温プラズマ複合リアクタのN2O分解性能評価を行う。実験条件として、ガス流量、N2O濃度、ガス組成をパラメータとして一定時間吸着を行った後に、プラズマを発生させ吸着N2Oの分解を行う。分解時のガスは(i)窒素、アルゴン等の無酸素ガスとする場合、(ii)空気あるいは酸素リッチガスとする場合、の2つの条件で検討を行う。
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Causes of Carryover |
当初購入予定だった物品の納期が想定よりも長くかかり年度内の納品が困難だっただめ購入を断念した。このため次年度使用額が生じた。次年度は速やかに購入予定だった物品を購入し予算を執行する。
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