2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of a chelating resin immobilizing different types of ligands for efficient recovery of valuable elements
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23K11488
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
加賀谷 重浩 富山大学, 学術研究部工学系, 教授 (50272894)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀野 良和 公立千歳科学技術大学, 理工学部, 教授 (30447651)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | キレート樹脂 / イミノ二酢酸 / イミノ二メチルホスホン酸 / 有価元素 / 捕捉挙動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,これまで実績のあるエポキシ基を有する樹脂を基材とし,イミノ二酢酸(IDA),イミノ二メチルホスホン酸(IDMP)を固定化した樹脂を調製し,有価元素に対する捕捉・溶出の能力を明らかにするとともに,協働効果,元素捕捉迅速性について検討するものである。令和5年度は,IDA樹脂の調製条件について詳細に検討した。また,IDMP樹脂の調製についても基礎的な検討を行った。 IDA樹脂の調製について,より多くのIDAを固定化するための条件について詳細に検討した。まず,グリシジルメタクリレート(GMA)とエチレングリコールジメタクリレートとを共重合した基材樹脂(GMA樹脂)を調製した。GMA樹脂へのIDAの固定化にはpH 11.0が適しており,IDA濃度を37 wt%とし,50 °C,120 rpmで加熱撹拌しながら20時間反応させることで最大Cu(II)捕捉容量(0.54 mmol/g)及びイミノ二酢酸固定化量(0.48 mmol/g)の樹脂を調製可能であった。また,IDA固定化の際,液量50 mLに対し,少なくともGMA樹脂10 gまでの添加は,得られるIDA樹脂のCu(II)捕捉容量に影響を及ぼさなかった。得られた樹脂について,有価元素を含む20種以上の元素の捕捉挙動を詳細に検討し,IDAによる錯形成挙動に類似した結果が得られることを明らかにした。 得られたIDA固定化条件を踏まえ,IDMP樹脂の調製条件についても検討した。同様の条件でIDMP樹脂が調製できることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和5年度は,基材樹脂へのIDAの固定化条件の詳細検討を行い,これらについて学会発表を行うとともに論文を執筆し採択されている。また,IDMPの固定化条件についても基礎的な検討を行い,成果を挙げている。
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Strategy for Future Research Activity |
IDMP樹脂の調製条件について詳細に検討する。得られたIDMP樹脂の有価元素を含む多種の元素の捕捉挙動について詳細に評価する。 本研究により得られた調製条件をもとに,IDAとIDMPの両者を固定化した樹脂を調製する。IDAとIDMPとの固定化量を変化させ,多種の元素の捕捉挙動について詳細に検討することにより,IDA基とIDMP基との協働効果の発現について検証する。
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Causes of Carryover |
試薬を発注したが,国内在庫がなく,年度内に納品できなかったため次年度使用額が生じた。現在も試薬は継続発注(取り寄せ中)となっており,その支払いに使用する予定である。
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Research Products
(4 results)