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2023 Fiscal Year Research-status Report

Species identification, ecological elucidation, and resource value assessment of filamentous fungi parasitic on terrestrial plants and algae in polar regions

Research Project

Project/Area Number 23K11504
Research InstitutionOsaka Metropolitan University

Principal Investigator

東條 元昭  大阪公立大学, 大学院農学研究科, 教授 (90254440)

Project Period (FY) 2023-04-01 – 2027-03-31
Keywords植物病原菌 / 極域 / 陸上植物 / 藻類 / 生態
Outline of Annual Research Achievements

植物寄生性糸状菌が北極や南極に分布し、それらの一部は近年分離頻度の低下が見られることを研究代表者らは近年明らかにした(Tojo et al. 2021)。これらの糸状菌は、コケ類など極域の主要植物に寄生したり病原性を示したりするものもあるため、それらが寄生する極域の植物への影響についても注視する必要がある。しかし極域の植物寄生性糸状菌には未知種が多く含まれ、種構成や生態がほとんど明らかにされていない。本研究は「極域の植物寄生菌とは何か?」や「気候変動が具現化する極域で植物寄生菌に何が起こっているのか?」を主な問いとして、1) 未知種の同定、2)同じ方法・地点で実施してきた調査の結果を含めた20年以上の植物寄生菌の量的および質的な変動の解析、3)寄生性や低温耐性の面から見た資源価値の評価を行っている。本年度は、植物寄生性糸状菌の宿主植物としてこれまでの陸上植物に加えて淡水や汽水の藻類の寄生菌にも着目し、極域の植物から分離される糸状菌の種同定や性状解明を目的として、温帯産の近縁の糸状菌の情報も得ながら、植物感染性、低温適応性などの培養性状、および分類マーカー遺伝子による解析等によって種同定を行った。これまでに分離された約700菌株の極地由来の糸状菌に加えて、令和4年度は夏期にノルウェー、スピッツベルゲン島ニーオルスン周辺のカギハイゴケなどから分離した糸状菌株について、同定を行い、その一部を卵菌のGlobisporangium属菌や真菌のMortiellera 属菌と同定した。Mortierella属菌に関する成果の一部については国内で開催された国際会議で口頭発表を行い(Tojo et al. 2023)、現在論文を執筆中である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

論文の研究発表が今年度は無く、国際会議で口頭発表(Tojo et al. 2023)に留まっている。なお、本研究に関連してこれまでに報告されているアジサイ属の病害について日本を中心に世界中での記載例を総説として取りまとめ、その中でヒマラヤやカナダ極域などの低温地域でのアジサイ病害について触れた(Nagashima and Tojo 2023)。

Strategy for Future Research Activity

種同定:Tojo et al. 2012およびHoshino et al. 2013の方法を基本にしてこれらを改良しながら、微分干渉顕微鏡での形態観察、rDNA-ITSおよびCO I遺伝子解析により実施する。その上で、寄生菌であることを確認しするために、カギハイゴケ等への病原性試験を行う。
生態解析:スピッツベルゲン島で現地調査を本年度の7月に行う。現地でカギハイゴケや藻類に寄生する卵菌および真菌を、Tojo et al. 2021の方法およびその改良法による分離調査で実施する。その上で2006年~2024年までの19年間の植物病原菌の種類・密度と気温・降水量変化を考察する。また、キョクチヤナギに寄生する真菌に寄生する真菌についても発生調査を行う。
資源価値評価:生育温度域や凍結耐性温度をMurakami et al. 2015の方法およびその改良法で検証する。低温性植物病原菌への拮抗性をYamasaki et al. 2011の方法を改良しながら評価する。これらの結果に基づき、極域の植物病原菌の低温耐性と低温での拮抗性を温帯域由来の近縁種との比較しながら評価する。
取りまとめと公表:上記の試験の一部の結果を取りまとめて国際専門誌で報告する。

Causes of Carryover

次年度にスピッツベルゲン島で現地調査を本年度の7月に行う。その際に院生2名を同伴する。本研究中核となる調査であるが、昨今の物価高と円安により、当初予算では実施困難となった。次年度の現地調査を滞りなく実施するために、やむなく次年度使用額が生じた。

  • Research Products

    (2 results)

All 2023

All Journal Article (1 results) (of which Open Access: 1 results) Presentation (1 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Journal Article] Hydrangea Diseases in Japan2023

    • Author(s)
      NAGASHIMA Susumu、TOJO Motoaki
    • Journal Title

      Japan Agricultural Research Quarterly: JARQ

      Volume: 57 Pages: 183~194

    • DOI

      10.6090/jarq.57.183

    • Open Access
  • [Presentation] Characterization of Mortierella spp. isolated from a Sanionia moss colony in Ny-Alesund, Spitsbergen Island, Norway: Focus on mycelium growth and colonization under low temperature conditions2023

    • Author(s)
      Tojo, M., Kamihata, H. and Uchida, M.
    • Organizer
      The 14th Symposium on Polar Science
    • Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2024-12-25  

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