2023 Fiscal Year Research-status Report
農業高等学校との連携による竹・竹林を題材とした環境教育プログラムの開発と実践
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23K11540
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Research Institution | Miyagi University of Education |
Principal Investigator |
西城 潔 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (00241513)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
庄子 元 東北学院大学, 地域総合学部, 准教授 (90774696)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 竹林 / 放置竹林 / 竹林整備 / 環境教育 / 農業高等学校 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、日本各地の農山村地域で深刻化しつつある放置竹林問題の解決に向け、地域農業と密接な関係をもつ農業高等学校向けの環境教育プログラムを開発することである。また環境教育プログラムの学術的基礎を固めるための竹林に関する地理学的研究も並行して実施する。そのための具体的な研究内容として、①農村及び竹林環境調査、②環境教育プログラムの開発と実践・検証、③成果発信、④他地域の視察を計画してきた。 令和5年度は、上記研究内容のうち、①・②・④を中心に研究を進めた。①については、空中写真判読及び現地調査による宮城県名取市愛島地区の農村景観の観察、竹林の整備状況と林内環境に関する現地調査を実施した。その結果、過去40数年間の竹林の変遷を把握することができた。また竹林の整備状況は、「良好に管理」、「ある程度管理」、「未管理」の3段階に大別できること、そのそれぞれで立竹密度や胸高直径、林内照度等に違いがあることが明らかになった。これらの成果の一部は、「10.研究発表」に記載した通り、発表を行う予定である。②に関する研究活動としては、宮農(宮城県農業高等学校)生活科2年生を対象とした授業で年間を通して竹林をテーマにした授業実践を行い、生徒達がその成果をレポートの形でまとめている。④としては、静岡県裾野市で竹林整備とメンマ作りの活動を進めているNPOの活動見学、広島県安芸高田市における竹林整備講習会への参加、大分県別府市で竹林利用と竹細工製品の生産・販売を手掛ける団体への聞き取り、鹿児島県大崎町において福商連携による竹林整備のコミュニティモデル開発に取り組む団体の活動視察を行った。裾野市における視察の結果を受け、宮農では生徒によるメンマ作りも始まっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「研究実績の概要」でも述べた通り、4つの研究計画のうち3つについて一定の取組みを進めている。すなわち①農村及び竹林環境調査については、空中写真等の資料と現地調査による調査を進め、その成果の一部を学会で発表する予定である。②環境教育プログラムの開発と実践・検証についても、宮農生活科2年生を対象に、年間を通して竹林をテーマとした授業実践を行うことができている。この授業を受講した生徒の中には、3年次も引き続き竹林をテーマとした課題研究に取り組む予定の者もいる。授業実践の効果に関する「検証」は今後の課題であるが、このように2・3年次にまたがって竹林をテーマに課題に取組もうとする生徒が現れたことは、授業実践が効果を上げていることの証といえよう。④他地域の視察については、計画段階よりも多い3地域で実施することができた。内容的にも、単に視察をしただけでなく、裾野市の視察に参加した宮農の生徒がメンマ作りに取組もうとするなど、その後の研究活動にも活かされている。また鹿児島県大崎町での視察の際、現地の竹林についても環境調査を行ったが、その際の調査結果は①で述べた学会発表にも組み込んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度も引き続き①農村及び竹林環境調査、②環境教育プログラムの開発と実践・検証、④他地域の視察を中心に進めていく。ただし①について、前年度は自然地理学的調査(竹林の生態的環境など)が中心であったため、今年度は農村、農家経営など人文地理学的調査についても研究を進めるとともに、竹林の自然地理学的特徴と人文社会的側面との関係、とくに農家経営と竹林管理・竹林環境の関係について注目していきたい。また③成果発信として、既に予定しているように前年度の研究成果も含めた学会発表を行う予定である。②については、宮農2年生を対象に竹林をテーマとした年間を通した授業実践を継続するとともに、3年生の課題研究で引き続き竹林に取組む予定の生徒には、より特化したテーマで研究に取り組んでもらう。またその成果を学園祭等で発表する機会も設定したい。また①の竹林調査を行っている研究協力者(大学生)と宮農の生徒との交流(研究成果の相互発表)の機会も予定している。こうした活動は、前年度取り組むことができなかった③成果発信へとつながるものである。④他地域の視察については、長野県飯田市で開催が予定されている国産メンマ作りサミットへの参加を予定している。
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Causes of Carryover |
予定よりも多くの他地域視察を行ったため、旅費は当初予算を超える支出額となった一方、設備備品として購入予定であったパソコンを購入せずに初年度の研究が遂行できたことや人件費の支出も当初予定より少なかったため、次年度使用額が発生した。ただし次年度には、研究用の備品としてパソコン購入予定であり、この未使用額は解消する予定である。
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Research Products
(13 results)