2023 Fiscal Year Research-status Report
Issues and formulation of measures for people with lower limb disabilities for the realization of accessible tourism
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23K11639
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Research Institution | Tokyo Professional University of Health Sciences |
Principal Investigator |
若原 圭子 東京保健医療専門職大学, リハビリテーション学部, 教授 (90906299)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | ユニバーサルツーリズム / 心のバリアフリー / 健常旅行者 / 障害者観 / 下肢障害者 / 療法士 / アプローチ |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでユニバーサルツーリズム(UT)は、社会環境の整備による取組や研究が進められてきた一方で、障害者本人に対して旅行を促すアプローチに関する研究はほぼなかった。 本研究は、多様な人々の旅行参加を促す解決策の一つとして、障害者等に対して、旅行に関するアプローチの方策を明らかにするこれまでなかった研究である。特に障害の中でも移動困難度の高い「下肢障害者」を対象に、個々の障害者の相談、支援にあたる療法士が、障害者等の旅行意向に沿って行う働きかけの手段について研究する。これにより受入体制だけでは解決しなかった、気兼ねなく誰もが同じように旅行を楽しめる「UT」を推進し、障害者等のQOLの向上、健康寿命の延伸とともに、共生社会の実現の推進、また旅行人口の増加による観光産業への波及を目的とするものである。 研究の初年度である令和5年度は、研究の立ち位置を把握するため、まず、既往研究のタイトルの内容分析・既往研究のレビューを行った。研究内容の経年変化、現在どのような研究が進められてきているのかを把握し、UT研究の動向を分析し、報告した。第二に、障害者等の旅行意欲にも影響する「心のバリアフリー」が日本で定着しない背景を関連する文献・資料等から法律、歴史、文化などの国際比較を行いながら、日本固有の背景、先進国との違いを整理し、報告した。第三に、一般の旅行者が旅行先で障害等のある人を見かけたときにどう感じるか等を聞き、心のバリア傾向を明らかにする健常旅行者調査を行った。その結果、健常旅行者の旅行先での障害者等への意識や将来の旅行意向には、障害者観、多様性等と接する経験、旅行関与度が影響することが明らかとなった。 以上の結果は、障害者等が気兼ねなく旅行に参加することを阻害する意識面での背景を明示し、次年度以降の調査研究を行う上での重要なものとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通り順調に進展しており、実施した研究の成果は以下のとおりである。 ①研究タイトル内容の経年変化、現在どのような研究が進められてきているのかを把握し、2023年12月の日本観光研究学会大会にて報告した。 ②障害者等の旅行意欲にも影響する「心のバリアフリー」が日本で定着しない背景を整理した。関係する法律、歴史、文化などの国際比較を行いながら、日本固有の背景、先進国との違いを整理し、2023年9月の日本福祉のまちづくり学会大会にて発表した ③健常旅行者調査(アンケート調査(オンライン)を行い、一般の旅行者が旅行先で障害等のある人を見かけたときにどう感じるか等を聞いた。その結果、これまでの多様性に関わる経験や障害者観、旅行関与度等による、意識のバリアの差が明らかとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度の健常旅行者調査の結果は、2024年度の日本福祉のまちづくり学会大会にて発表予定である。 研究2年目の令和6年度は、障害者本人調査および家族調査(いずれもオンラインアンケート調査)を行い、下肢障害者等の旅行を想起、希望するタイミングと希望する支援内容を明らかにし、本人に対する支援の具体的方向性を明らかにする。とくに、障害等のある人々の旅行参加の有無に影響する因子を分析し、支援のあり方、その可能性についても分析・検討を行う。 3年目の令和7年度は、療法士調査(オンラインアンケート調査)を行い、令和6年度に実施した下肢障害者等の障害による心身の経過と旅行への意識や支援の影響等、様々な因子を踏まえ、下肢障害者等の旅行に関する療法士の働きかけの可能性を明らかにする また、以上の調査結果をもとに、療法士の働きかけの方策を整理、検証する。
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Causes of Carryover |
【次年度使用額が生じた理由】、前倒し支払い請求時の修正計画通りにほぼ支出を行ったものの、実際の旅費等の時価による差額が生じた結果残額が生じた。 【使用計画】翌年分の助成金と合算した使用計画は、当初の予定通り、当事者調査および当事者の家族調査に使用する予定である。
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