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2023 Fiscal Year Research-status Report

20世紀前半の日本を発着点とした女性の移動とドレスメーキングの文化史

Research Project

Project/Area Number 23K11690
Research InstitutionNihon University

Principal Investigator

北脇 実千代  日本大学, 生物資源科学部, 准教授 (20369458)

Project Period (FY) 2023-04-01 – 2026-03-31
Keywords移動・移住 / ジェンダー / 日系人 / 洋裁 / 裁縫教育 / アメリカ
Outline of Annual Research Achievements

当該年度は、女性の主体的な移動性に着目しつつドレスメーキングの文化史を検証するにあたり、女性の帰国後の状況を把握することを主眼として日本国内における調査に注力した。とくに、広島からロサンゼルスに移住して裁縫学校を運営し、その後広島に戻ってきて再び学校を運営した女性に焦点を当て、国立国会図書館ならびにデジタルアーカイヴを中心として史料収集を行った。さらに、2023年9月には、広島を訪問し、調査対象としている女性の親族と面談をして史実の確認を行うこともできた。あわせて、広島市立中央図書館、ハワイ移民資料館にも訪問し、広島を起点としてアメリカならびにハワイに移動した人々に関する史料を収集するとともに、興味深い事例が他にもあることを確認することができた。今後の研究の方向性を考えるうえで、大変有意義な訪問となった。
2024年3月には、翌年度に本格的に行う予定だった調査を前倒しし、群馬からサンフランシスコに移住して裁縫学校を運営し、その後東京においても学校を設立した女性に関する調査を開始した。国立国会図書館ならびにデジタルアーカイヴを中心とした史料収集を行うなかで、調査対象者の親族にも連絡を取ることができ、3月には群馬県にて親族と面談をした。面談の際には、数多くの一次史料の提供も受けた。
上記の事例調査に加え、ドレスメーキングに関する知見を深めるべく、文化学園服飾博物館ならびに昭和館で開催された特別展示を観覧した。また、杉野服飾大学図書館にて、ドレスメーキングを国内で学んだ女性たちの移動性に着目しながら、史料収集も行った。国境を越えた移動のみではなく、国内での移動も視野に入れた研究の展開の必要性を認識しつつあるところである。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究は、目的を遂行していくうえで、各年度ごとに注力して調査する事例を当初より設定していた。当該年度に関しては、ロサンゼルスと広島で裁縫学校を設立した女性に焦点を置くことを予定していたため、その計画にしたがって研究を進めた。史料の収集については、デジタルアーカイヴに加え、国立国会図書館にて主に行った。また、広島を訪問し、広島市立中央図書館ならびにハワイ移民資料館にてさらなる調査を遂行することもできた。2023年6月には、神田外国語大学にて開催された日本移民学会において研究成果を発表した。
事例調査に加え、全体像を把握することを目的として、文化学園服飾博物館、昭和館にてドレスメーキングに関連した特別展示を観覧し、知見を深めることもできた。また、杉野服飾大学図書館では、女性の移動性とドレスメーキングとの関連性を追加調査することもできた。
諸般の都合により、国外で行う予定だった調査は翌年度へと先延ばしとなったものの、翌年度に注力する予定であった事例の調査を前倒しして着手することができた。当該年度中に、国立国会図書館ならびにデジタルアーカイヴにて史料を収集できたことに加え、調査対象の女性の出身地である群馬県にて親族と面談できたことは、翌年度の研究遂行に向けての重要な足がかりになったと考えている。
その意味では、当初の計画以上に研究が進んでいると捉えることもできるが、当初予定していた国外での調査を当該年度中に実施できなかったため、相殺するかたちでおおむね順調に進展していると判断した。

Strategy for Future Research Activity

これまでの調査結果をふまえつつ、当該年度に実施できなかった国外での調査を実施する予定である。本研究は、女性の移動・移住先で形成されたドレスメーキングの空間を検証することも目的の一つとしているため、その一つの事例として、ロサンゼルスのリトル・トウキョウの状況を把握するべく、現地にて史料の収集に努める予定である。また、当該年度に着手したサンフランシスコと東京で裁縫学校を運営した女性に関する調査も継続して行う予定である。この女性に関しても、その研究成果を学会において発表したいと考えており、口頭発表だけでなく、論文でも成果を発表できるよう研究を進めていきたい。

Causes of Carryover

当該年度にて、国外での調査を実施できなかったため、翌年度への繰越金が生じた。但し、翌年度早々には実施予定のため、旅費の一部を当該年度で使用した。国外での調査に伴う宿泊費ならびにその他の諸経費については、翌年度に使用する予定である。また、翌年度末に再び国外で調査を行うことも検討しており、助成金は主に旅費として使用する計画である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2023

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 20 世紀前半における日米間の女性の移動性とキャリア形成―ロサンゼルスと広島で設立された洋裁学校を事例として2023

    • Author(s)
      北脇 実千代
    • Organizer
      日本移民学会

URL: 

Published: 2024-12-25  

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