2023 Fiscal Year Research-status Report
Synthesis of defective titanium oxide catalysts by utilizing radiation redox reaction
Project/Area Number |
23K11714
|
Research Institution | National Institutes for Quantum Science and Technology |
Principal Investigator |
出崎 亮 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 高崎量子応用研究所 先端機能材料研究部, 上席研究員 (10370355)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Keywords | 放射線酸化還元反応 / 酸化チタン / 微粒子合成 / 触媒 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、パラジウム(Pd)をドープした酸素欠損を有する酸化チタン(Pd-TiO2-a)の酸素還元反応に対する触媒活性が、白金の性能を超える可能性があることが理論計算によりに示され、次世代水素燃料電池用触媒として応用が期待されている。しかしながら、未だ誰も十分な触媒活性を有するPd-TiO2-aの合成に成功していない。そこで本研究では、これまでに例のない、放射線酸化還元(レドックス)法を提案し、本手法の成立性の検討、ならびにPd-TiO2-aの合成プロセスの確立を目的としている。今年度は、酸化チタンの原料となる化合物の選定を進め、水溶性のチタン化合物を選択した。また、水溶液に電子線を均一に照射するための装置を作製した。チタン化合物水溶液に電子線を照射し、動的光散乱法による粒径測定を行った結果、原料水溶液の粒径分布が1.6 nm、6.0 nm、180 nmをピークとするトリモーダルな分布であったの対し、電子線を500kGy照射後、4.9 nm、260 nmをピークとするバイモーダルな分布に変化することを明らかにした。現在、得られた生成物の物性分析を進めている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度においては、水溶性チタン化合物を原料として選定するとともに、水溶液に均一に電子線を照射する装置を作製した。結果として、電子線照射によってナノ粒子が生成する可能性を見出した。現在、生成物の物性分析を進めており、本研究の提案である放射線レドックス法の成立性を検討するとともに、本手法を利用したPd-TiO2-aの合成プロセスの確立を目指す。
|
Strategy for Future Research Activity |
電子線照射によって得られた生成物の物性分析を進め、放射線レドックス反応の成立性を検討するとともに、Pd-TiO2-aの合成プロセスの確立を目指す。放射線レドックス反応を制御するための反応パラメータである、溶質濃度、溶液pH、線量率、線量、雰囲気の条件と、得られるPd-TiO2-aの物性(酸素欠損量、結晶構造、粒子径、触媒活性)の関係を明らかにするとともに、Pd-TiO2-aの触媒性能を評価する。以上の結果を基に、触媒性能を最大化するための最適条件を見出す。
|
Causes of Carryover |
理由:本研究に関連する学会での発表を予定していたが、まとまった結果が得られず、学会に参加しなかったため。 計画:試薬類等の各種実験消耗品を購入するとともに、研究成果発表のための会議参加費および旅費として執行する計画である。
|