2023 Fiscal Year Research-status Report
作業者の視点に着目した複雑な機械製品のための分解順序推論
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23K11719
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
山田 香織 岩手大学, 理工学部, 助教 (00628927)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
花原 和之 岩手大学, 理工学部, 教授 (70254430)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 設計 / 分解 / 視線分析 / 推論 |
Outline of Annual Research Achievements |
製品の分解作業においては,作業者が部品同士の接続関係や位置関係を把握しておくことが,安全かつ円滑な作業につながる.一方で,一部部品のみの取り外しや使用中に手を加えた製品などは分解のための手順書がないこともある.本研究課題では,複雑な構造を持つ機械製品について,安全に作業するための分解順序を推論する方法を確立することを試みる. そのために製品の構造と作業者の視点にそれぞれ着目している.工学的観点から,製品を構成する部品間の接続・位置関係より分解順序を導出する.また,認知科学的観点から,作業者の視点を分析し,作業時の判断の要因を探る.そして,これらを統合し,分解順序推論を適用してシステムを構築し,提案する推論方法の有効性を確認することを目的としている. 2023年度の研究課題は、課題(a)分解順序推論方法の構築,課題(b)分解作業時の視点分析,課題(c)ケーススタディのためのベンチマーク問題の設定である.2023年度の研究成果は以下のとおりである. (a)については,推論をするための部品位置情報の記述に際し,計算機上で半自動的に行う方法として,CADのアセンブリデータからポリゴンの頂点座標を用いる方法を提案し,実装した.(b)については,分解作業時の視線データを収集する実験を行った.作業者が見ていた部品と,実際に部品を分解した順序を比較した.その結果,作業者は次に分解する部品を注視しているという特徴が得られた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画通り,分解順序推論方法の構築を行った.分解作業時の視点分析については,実験を行い視線データを収集したが,非熟練/熟練による差を比較するには至っていないため,次年度の課題とする.
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は,分解作業に関する熟練者による視線データの収集を行い,熟練者と非熟練者の比較を行う.また,推論による分解順序と,実験により収集した視線データの比較を行う.そして,それをシステムに実装するために推論ルールの修正および提示方法の考案を試みる.
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Causes of Carryover |
視線計測のための実験において,熟練者/非熟練者の比較を行う前に,まず非熟練者のみによる視線データの収集実験を行うことになったため.熟練者も交えての実験は2024年度に行う予定である.
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