2023 Fiscal Year Research-status Report
Analyses of the interaction between blood pressure-derived mechano-stress and cardiomyocyte dynamics.
Project/Area Number |
23K11800
|
Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
山口 陽平 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (40831912)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 智之 旭川医科大学, 医学部, 助教 (80638643)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Keywords | メカノバイオロジー / 静水圧 / 心筋細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
心臓は収縮・弛緩を繰り返しており、それに伴うダイナミックな血行力学的負荷が心筋細胞に作用している。近年、伸展やずり応力といった機械刺激による心筋細胞の形態や機能への影響が明らかにされてきた。その一方、血圧変動環境で心筋細胞動態を観測することが難しいため、リズミカルに変動する血圧が心筋細胞の生理的収縮機能にどう影響しているかは未だ明らかではない。そこで、本研究では、生理的血圧レベルの静水圧負荷状態で細胞を観察できる静水圧顕微鏡の開発に着手し、一定静水圧を加えた状態で、心筋細胞動態および心筋細胞のカルシウムトランジエントの計測が可能なシステム構築に成功した。そのシステムを用いて、圧誘発性に収縮力の増大反応が認められ、それが細胞内カルシウム濃度の変化によって生じていることが明らかとなった。さらに、機械受容チャネル阻害剤を使用して、その反応が打ち消されたことから、心臓の機械受容チャネルを介したカルシウムの流入が圧誘発性収縮力増大反応に関わっていることが明らかになりつつある。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
静水圧負荷装置の開発が想像以上に進み、静水圧負荷環境での心筋細胞動態とカルシウムハンドリングの観測という令和6年度以降の計画に着手し、その成果が出てきたため、当初の計画以上に進展していると判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
圧誘発性収縮力増大反応への機械受容チャネルの関与が明らかになったきたが、機械受容チャネルの中のどの種類のチャネルが関与しているかを薬理学的阻害実験や分子生物学的阻害実験を行い、より具体的に明らかにしていく予定である。さらに、静水圧負荷環境での心筋収縮タンパク質のリン酸化への影響についても調べる予定である。
|
Causes of Carryover |
研究計画が思った以上に順調に進み、トライ&エラーが少なく、これまでに保有している資材で補完できることが多く、新たな購入すべき資材等が少なかったため。
|