2023 Fiscal Year Research-status Report
Ultrasound mechanosensing: elucidation of the role of piezo1 on its regulation of cellular function
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23K11802
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
田渕 圭章 富山大学, 学術研究部薬学・和漢系, 教授 (20322109)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 英之 富山大学, 学術研究部工学系, 教授 (00344698)
鈴木 信雄 金沢大学, 環日本海域環境研究センター, 教授 (60242476)
古澤 之裕 富山県立大学, 工学部, 准教授 (80632306)
平山 順 公立小松大学, 保健医療学部, 教授 (90510363)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 超音波 / メカノセンシング / ピエゾ1 |
Outline of Annual Research Achievements |
臨床において低出力パルス超音波 (LIPUS) は,骨折治療に用いられている.一方で,この安全で有効なLIPUSの作用の分子メカニズムは,未だに不明な点が多い. 臨床で骨折治療に用いられている用超音波照射器 (セーフス,帝人ファーマ) と出力が同等の実験用超音波照射器を用いた.キンギョの再生ウロコを6穴シャーレに入れ,シャーレの下部からLIPUSを20分間1回照射した (超音波周波数: 1.5 MHz, DF: 20%,パルス繰り返し周波数: 1 kHz,出力: 30 mW/cm2).照射したウロコを一定時間15℃培養し,骨芽細胞と破骨細胞の酵素活性と網羅的な遺伝子発現解析を行った. LIPUSの1回照射により,破骨細胞のマーカー酵素TRAP活性は変化しなかったが,骨芽細胞のマーカー酵素ALP活性が有意に上昇した.LIPUSにより骨芽細胞の分化が誘導されることが明らかとなった.次世代シーケンサーを用いた遺伝子の網羅的な解析により,LIPUS照射の3,6と24時間後で数多くの遺伝子の発現が変動することが示された.現在,バイオインフォマティクスの技術を用いて,骨芽細胞の分化に関与する遺伝子を調査中である. LIPUSの作用におけるピエゾ1の役割を検討するために,ピエゾ1機能阻害条件の検討を行った.マウス骨芽細胞MC3T3-E1細胞においてピエゾ1に対するsiRNAは,そのmRNAレベルを有意に低下させたがタンパク質レベルには影響を与えなかった.現在,新たなsiRNAとゲノム編集技術を用いてピエゾ1機能阻害の条件を検討中である.他方,ゲノム編集技術を用いて超音波のメカノセンシングに関与することが報告されているFAKノックアウト細胞の構築に成功した.また,同技術を用いて熱ショックタンパク質Hsp70の核内輸送タンパク質Hikeshiのノックアウト細胞を構築した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和5年度は,キンギョのウロコにおける低出力パルス超音波 (LIPUS) に応答する遺伝子を数多く明らかにすることができた.ゲノム編集技術を用いて,超音波のメカノセンシングに関与するFAKノックアウト細胞,また,熱ショックタンパク質Hsp70の核内輸送タンパク質Hikeshiのノックアウト細胞の構築に成功した.以上より,研究は概ね良好に進捗したと判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
R6年度,ゲノム編集やRNAi技術を用いてピエゾ1機能阻害細胞を構築し,低出力パルス超音波 (LIPUS) のメカノセンシングにおけるピエゾ1の役割を明らかにする.骨芽細胞の石灰化における関連遺伝子を明らかにする.その石灰化におけるピエゾ1の役割を調べ,LIPUSの効果におけるピエゾ1の役割を解明する.キンギョのウロコの実験系を用いて,骨芽細胞の分化に関与する遺伝子を明らかにする. 次年度の研究を実施するために以下の使用を計画している.試薬類:652千円.培養器具類:300千円.抗体類:300千円.国内旅費:200千円.人件費・謝金:200千円.その他:200千円.
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Causes of Carryover |
過去に購入した試薬等を有効的に使用した結果,繰越金652019円が発生した.令和6年度,研究を実施するために以下の使用を計画している.試薬類:652千円.培養器具類:300千円.抗体類:300千円.国内旅費:200千円.人件費・謝金:200千円.その他:200千円.
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Research Products
(7 results)