2023 Fiscal Year Research-status Report
Drug screening against anticancer drug-induced cardiac dysfunction with artificial intelligence learning motion vectors
Project/Area Number |
23K11813
|
Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
間木 重行 東邦大学, 医学部, 助教 (90708546)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内藤 篤彦 東邦大学, 医学部, 教授 (10588891)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Keywords | 心筋細胞 / 深層学習 / モーションベクトル |
Outline of Annual Research Achievements |
抗がん薬によって誘導される心臓への副作用 (chemotherapy-related cardiac dysfunction, CTRCD)はがん患者の死因として3番目に数が多く,その治療はがんサバイバーのQOL向上の観点から重要な課題である.ヒトiPS細胞由来心筋細胞(ヒトiPS心筋)の収縮力の変化を利用して心不全治療薬の探索や心不全を引き起こす薬物の予測が試みられているが,ヒトiPS心筋の「収縮力」という過度に縮約されたパラメタと心臓に対する臨床的な作用を短絡的に結びつけることはできない.そのため,CTRCD治療薬開発のためには,生体の心臓に対する影響を再現できるスループット性の高い細胞実験系と新たなデータ解析手法を備えた薬理評価系を構築する必要がある.本研究の目的は,ヒトiPS心筋の動きを撮影した動画から動きを表す時系列ベクトルデータを抽出し,そのデータから心筋の収縮弛緩異常を検知する人工知能(AI)モデルを取り入れた薬理評価系を開発することである.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和5年度は,配向性を持たせたiPS心筋収縮実験評価系の最適化に取り組み,概ね計画通りの進捗状況である. 細胞実験系の最適化: iPS心筋Asclestemで予備検討を行っていたマイクロパターンプレートの実験系を異なるiPS心筋(iCell2)でも検討し,実験系がワークすることを確認した. 解析プログラムの最適化:細胞の動きベクトルの計算を試作プログラムと比べて約6倍高速化することで研究利用に耐えうるレベルのデータ処理パイプラインを作成した. 異なるiPS心筋細胞のデータ比較:CTRCDを引き起こす抗がん薬ドキソルビシン,トラスツズマブおよび薬物無処理のAsclestem由来の動きベクトルのデータを分類する畳み込みニューラルネットワーク,および畳み込みと自己注意機構を組み合わせたハイブリッドモデルを検討し,正解率約96%のモデルを構築した.
|
Strategy for Future Research Activity |
2024年度は,データ加工法の最適化および臨床で使用される既知薬物の分類評価,ならびにiPS心筋細胞の収縮弛緩異常検知AIの構築に取り組む.
|