2023 Fiscal Year Research-status Report
次世代医療情報交換規約FHIRを用いた患者情報統合のための基盤開発
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23K11890
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中山 雅晴 東北大学, 医学系研究科, 教授 (40375085)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 良一 岩手医科大学, 歯学部, 教授 (30393218)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | FHIR / PHR / IPS / 標準化 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨今リアルワールドデータの重要性が認識され、電子カルテの標準化およびデータ活用の促進が期待されている。新しい医療データ交換規格として、Fast Healthcare Information Resources (FHIR)が注目され、日本においてもその活用が本格化している。これまでFHIRを活用した最適例としてPersonal Health Record (PHR)に着目し、独自にPHRアプリケーションの開発を行ってきた。本研究では、疾患横断的に患者情報を統合するための開発を行い、FHIRの実運用における課題解決を目的とする。 計画に則り、既に作成したSS-MIX2-FHIR間の変換対応表とHL7FHIR作業部会が策定した日本版FHIR導入ガイドであるJPCore最新版との比較修正を行った。また、SS-MIX2拡張ストレージに心電図や心臓超音波検査など循環器特有の検査データを保存するための日本循環器学会標準出力フォーマットであるSEAMAT(Standard Export datA forMAT)形式のデータを、PHRアプリケーション上に表示できるようFHIR形式へ変換するデータマッピングのプロトタイプを作成した。今後SEAMATのFHIR化に向けた動きとして、HL7FHIR作業部会とも連携し、JPCoreと一貫性を保つ計画が進んでいる。加えて、本PHRアプリケーションが多くの診療科や多職種のニーズに柔軟に対応できることを目的として、PHR上に多様な項目を表示・入力できるインターフェイスの構築を目指しており、単なる項目の追加や表示に留まらず、ユーザビリティのさらなる機能向上を検討してその一部を実装した。一方で、広範囲な臨床データが多数集約することで、患者の要点を掴むことが困難になることが懸念されるため、優先データの抽出や患者データのサマライズする方法に関しても取り組んだ。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上述のとおり、概ね計画通り進んでおり、来年度も引き続き開発を進める。
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Strategy for Future Research Activity |
今後については当初の計画通り、SS-MIX2拡張ストレージのデータや部門システムで扱うデータをFHIR形式で利用するために、必要な諸項目の洗い出しや仕様確認を行い、データ入出力画面の実装を進めていく。また、3文書6情報と呼ばれるように各種重要な臨床情報をFHIRで活用するための仕様策定も国全体で進められており、それらとの整合性を保つことを心がけて開発していく。
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Causes of Carryover |
本研究の計画を確実に遂行していくため、PHRをクラウドベースで活用するための準備、および臨床情報のサマライズのためのAI活用も進めており、来年度に本格運用に向けた経費執行を予定している。
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