2023 Fiscal Year Research-status Report
口腔細胞診における遺伝子検査法(GSC)の創出とその臨床応用
Project/Area Number |
23K11897
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山口 知彦 九州大学, 大学病院, 臨床検査技師 (20624480)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清島 保 九州大学, 歯学研究院, 教授 (20264054)
藤井 慎介 九州大学, 歯学研究院, 講師 (60452786)
野上 美和子 九州大学, 大学病院, 臨床検査技師 (50974945)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 口腔細胞診 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では細胞診試料を用いて、口腔扁平上皮癌における癌関連遺伝子の発現量について非腫瘍部と腫瘍部を比較・定量し、口腔扁平上皮癌と推定する基準値を設定する。さらに、治療前後腫瘍部の癌関連遺伝子の発現量を比較することで、従来の細胞像による診断に加え、新たな「経過観察」の方法の提案を目的としている。 まず、当院病理部・病理診断科に提出された症例1年分の細胞診とそれに対応する組織診を検討した。具体的には、細胞診それぞれのClass分類に対する組織診を行った頻度(組織診率と呼ぶ)とそれぞれのClass分類に含まれる悪性腫瘍症例率を検討した。症例数は274例であり、不適正は3例(1.09%)と低頻度であったため適切に細胞診の試料が提出され準備されたと考えられた。検討の結果は以下のとおりであった。Classが上がると組織診率が上昇していた。Class IV, Vは全て悪性腫瘍であった。Class IIIa, III, IIIb症例では、悪性腫瘍が42%~66%含まれていた。このことから、Class IV, Vは細胞診でも的確に悪性腫瘍と推定できていたと考えられた。一方、Class IIIa, III, IIIb症例に含まれる悪性腫瘍を細胞診でいかに推定するかが検討課題と考えられた。また、びらん・潰瘍部に腫瘍細胞が認められることから、Class IIIa, III, IIIbを疑う症例の組織診ではびらん・潰瘍部からの細胞採取を行うことが推奨された。今後の細胞診における遺伝子解析を目的として、液状化細胞診の試験的運用も開始している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は当院病理部・病理診断科に提出された症例1年分の細胞診とそれに対応する組織診を検討した。当院での、細胞診の有用性、および組織診との対応により気づいた問題点を抽出することができた。今後は、細胞診試料を用いて、口腔扁平上皮癌における癌関連遺伝子の発現量について非腫瘍部と腫瘍部を比較・定量し、口腔扁平上皮癌と推定する基準値を設定することを目的としているが、まずは腫瘍部について検討することとする。その後、Class IIIa, III, IIIb症例と推定診断された症例を検討するというパイプランができたので、おおむね順調に進展していると考えられた。
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Strategy for Future Research Activity |
細胞診試料を用いて、口腔領域の病変部からmRNAを回収することを計画している。その為に、技術的な課題として液状化細胞診の導入が必要であると考えられる。液状化細胞診の推定診断が、当院でこれまで行ってきている従来法と同様に推定診断ができるかと検討する。また、これらの解析を行うために、所属機関における倫理申請に関する許可を得る準備を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
今年度は当院病理部・病理診断科に提出された症例1年分の細胞診とそれに対応させ組織診を検討し、細胞診の成果と課題を明らかにすることを目的として、その目的を達成した。次年度は、細胞診試料を用いて、口腔領域の病変部からmRNAを回収することを計画している。その為に、技術的な課題として液状化細胞診の導入が必要であると考えられる。次年度にその目的を果たすための経費として、次年度使用額を生じた。
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