2023 Fiscal Year Research-status Report
膵臓癌の薬物治療に対するマイクロバブルと超音波による革新的DDSの開発
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23K11907
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
丸山 一雄 帝京大学, 薬学部, 特任教授 (30130040)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | マイクロバブル / 超音波 / 膵臓癌 / セラノスティクス / ゲムシタビン |
Outline of Annual Research Achievements |
発癌物質ジメチルベンズアントラセン(DMBA)発癌同所膵臓癌ラットモデルの作成をZ. Zhuらの方法(Hepatobiliary Panc Dis Int 14, 208, 2015)を参考に改良して検討した。麻酔をかけた約150gのWistar系雄性ラットを正中開腹し、脾臓と一緒に摘出した膵臓組織に5mg DMBAを100マイクロL の5%カルボキシメチルセルロースに練り溶かしたジェルを塗布して閉腹して約3ヶ月間飼育し、腫瘤(しこり)として確認できるラットを選別した。しかしながら、腫瘤(しこり)として触診で確認できたラットについて、小動物用MRI装置BioSpec3Tで造影を試みたが明解な画像を得ることが出来なかった。再検討を行う。 基礎実験として、マウス膵癌(PAN2)細胞を背部に移植した担癌マウスに対して、Gem 30mg/kgを尾静注し、超音波照射しながら、セラノスティクバブル(TB)を2.5分間隔で10マイクロLずつ4回間欠投与するBUS-DDSを行った。超音波照射は、GE LOGIQ E9超音造影装置に腹部用プローブC1-6を用いて、コントラストモード、周波数2.2MHz、MI値0.2の条件で照射した。その結果、約3.7倍の移行量の結果を得た。Gem腫瘍内濃度測定はLC/MS/MSで行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
DMBA発癌同所膵臓癌ラットモデルについて、Gem+nabPTXのBUS-DDSを検討中である。DMBA発癌同所膵臓癌ラットモデルの製作に最低3ヶ月を要するため、また発癌性物質の使用のため、実験動物施設での制約が多く、例数を増やせないのが難点である。超音波装置にパラメーターを種々に設定できる、株主総会MU研究所のCSI-pr1-6を用いて行う。周波数を1MHzに固定し、MI値を0.2、0.7、1.2と変化させ、および照射時間も変化させ薬物の腫瘍内移行濃度を測定する。超音波パラメーターの設定値を検討し、超音波診断装置の治療モード設定値の参考とする。
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Strategy for Future Research Activity |
医療現場での汎用性を考えて、超音波診断装置に1-6MHzのプローブを用いて、発癌物質DMBA発癌同所膵臓癌ラットモデルについて、BUS-DDSによるGem+nabPTXの送達および抗腫瘍効果について検討する。
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Causes of Carryover |
発癌物質ジメチルベンズアントラセン(DMBA)発癌同所膵臓癌ラットモデルの作成3ヶ月以上かかったため、また、小動物用MRI装置BioSpec3Tの造影で良い結果が得られないことがわかったため、動物の購入使用、動物施設の使用、MRI施設の使用を控えた。予定していた学会参加および人件費の支出が生じなかった。結果、未使用額が生じた。
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