2023 Fiscal Year Research-status Report
100ピコ秒台のTOF時間分解能を有する3次元PET検出器の開発
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23K11913
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Research Institution | National Institutes for Quantum Science and Technology |
Principal Investigator |
吉田 英治 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子医科学研究所 先進核医学基盤研究部, 主幹研究員 (50392246)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | PET / Detector / TOF / DOI |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では次世代頭部専用 PET において基本技術となる time-of-flight(TOF)-depth-of-interaction(DOI) PET 検出器の開発を行う。1.45x1.45x15mmのFast LGSOシンチレータを14x14のアレイとし受光素子として8x8のMPPCアレイに光学接続した試作検出器を開発した。スリット照射による実験から 3.1mmのDOI分解能を達成した。時間分解能に関してはタイムスタンプを算出する際の校正手法の開発、MPPCの集光率の改良よって198.9 psを達成した。3.1mmのDOI分解能は時間分解能の改善にも寄与している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
いくつかの予備実験から、本検出器の性能目標を達成するために、シンチレータとしてFast LGSOを、受光素子としてMPPCアレイを採用した。1.45x1.45x15mmのFast LGSOシンチレータを14x14のアレイとし、受光素子として8x8のMPPCアレイを光学接続した試作検出器を開発した。また、光学反射剤としてルミラーとESRを比較した結果、より良い時間分解能とDOI分解能が得られたルミラーを採用した。また時間分解能を改善するためにタイムスタンプの算出方法を見直し、最適なサンプル数によるエネルギーによる重み付け平均によるタイムスタンプ算出方法を開発し、時間分解能が改善できた。また、MPPCアレイの受光面の保護材が光の集光を妨げていることを見出し、保護材内にそれぞれのMPPCを区切る形で光学的反射材の格子を作成し、集光率を高めることで時間分解能の改善を達成した。一対の試作検出器を用いた実験から、DOI分解能と時間分解能は、それぞれ 3.1mmと 198.9psを達成した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、時間分解能のさらなる向上、検出器の作成方法の改良等を実施する予定である。また、試作検出器を量産し、イメージングテストを実施する。
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Causes of Carryover |
受光素子の改良にともなって検出器の部材の購入を次年度に遅らせたため。
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Research Products
(6 results)