2023 Fiscal Year Research-status Report
上下肢挙上保持の効果検証とセルフケア向上のための簡易挙上保持用具の考案
Project/Area Number |
23K11962
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
種田 ゆかり 三重大学, 医学系研究科, 助教 (00444430)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | むくみ / 対処方法 / セルフケア / 挙上 |
Outline of Annual Research Achievements |
乳がんや婦人科がんなど、がん治療(手術によるリンパ節郭清など)後に発症する可能性があるリンパ浮腫は、症状の程度にもよるがむくみによるだるさや重さ、動かしづらさがあり、日常生活に影響を及ぼすことがある。何より外見に変化があるため、ボディイメージにも影響し精神的苦痛も大きいことが考えられる。そのため、疾患の予防、症状の軽減・緩和のためにはセルフケアが重要であり、リンパドレナージや弾性包帯・弾性ストッキングの着用などを行うが、時間を要し手技が簡便ではない。患肢を挙上することは、安易であり、効果的であると言われている。また、日常の中にある一般的なむくみ症状時にも、簡便なセルフケアのひとつとして安静時や睡眠時に下肢を挙上するという工夫を行うことが多い。 臨床の場でも、家庭においても身近なもので何気なく挙上するが、挙上する高さや時間などはさまざまであり、挙上することでどの程度効果があるのかわからないまま実施していることが多い。根拠をもちケアを実施することは、セルフケアの向上にも繋がると考える。そこで、まずは、普段何気なく行っている方法やケアを検証することを第1段階の研究として取り組んでいる。今年度は、健常者への検証実験を行う予定であったが、成果として数値で示せる結果を十分に残せていない。現在、検証実験を行っていくうえで重要な方法の見直し・選定を慎重に行っており、それらが整い次第、取り組みたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
患肢挙上の効果や根拠を得るための第1段階のデータ収集を行うにあたり、健常者を対象に挙上効果の検証を行う予定であった。しかし、検証の基準として考えていた既報告での方法(15㎝、30㎝、45㎝といった高さや、設定時間)の見直しを進める中で、他の方法によるむくみ軽減効果などにも着目する必要がでてきた。 また、検証には機器を使用する予定であるが、費用が高額であるため慎重に期しており、機器の選定にも難航している。 そのため、検証を行うための準備を十分に整えることができず、予定より遅れている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、予定していた健常者を対象とした挙上効果の検証のためのデータ収集を行いたい。本格的にデータ収集をする前には、プレテストをしっかり行い、その結果を踏まえて、実験方法・内容の詳細を確定する。そのためには、現在おこなっている既報告からの検証方法の見直しを早急に済ませ、機器の選定も熟考し、基礎準備を整える必要があると考えている。計測機器(皮膚血流計測装置)は、当初予定していた頃より進行が遅れているため再度見直し、本研究に適したものを選定したい。準備が整い次第、安静臥床での上下肢の挙上(高さ・時間の違い)による血流測定やむくみの自覚症状の有無、上下肢周囲径計測等を行う。また、他のむくみ軽減効果が得られる方法にも着目し、可能な限り検証を行いたいと考えている。 その後は、予定していた第2段階以降の研究を進めていきたい。
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Causes of Carryover |
今年度、予定していた検証の準備を進める中で、他の方法にも着目し見直す部分がでてきたため、当初の計画より遅れている。また、検証には測定機器を使用する予定であるが、費用が高額であるため、慎重に機器を選定している。そのため、次年度使用額が生じている。 今後は、早急に挙上効果を検証するための健常者への挙上血流実験の準備を進め、検証に適した測定機器などを購入し、本研究を進めていく。
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