2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of new X-ray protective goggles for nuclear medicine
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23K11969
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
松友 紀和 杏林大学, 保健学部, 准教授 (90781237)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Keywords | 水晶体被ばく / X線防護メガネ / 核医学検査 |
Outline of Annual Research Achievements |
核医学で使用される放射性核種のエネルギーはX線検査よりはるかに高いにもかかわらず、一般に入手できるX線防護メガネは核医学を対象としておらず、PET核種や治療用核種に対する遮蔽効果も20%以下である。本研究では、核医学専用の水晶体被ばく防護メガネの開発を目的とした。 ①コンピュータシミュレーションを用いて、核医学治療用核種であるI-131の遮蔽に必要な鉛ガラスの厚み(鉛当量)を検証した。一般に入手可能なX線防護メガネの最大鉛当量は、0.75 mmPbであるが、シミュレーションの結果、50%以上の線量低減率を得るためには、従来の3倍以上の鉛当量が必要であることが示された。 ②シミュレーションの結果から、鉛ガラスの厚み(鉛当量)を1~3倍に変えたX線防護メガネを試作し、I-131に対する3mm線量当量率を測定し、遮蔽効果を検証した。3mm線量当量率は、X線防護メガネなしで、15.48±0.59μSv/min/GBqとなり、従来のX線防護メガネ(0.75 mmPb)では12.41±0.52μSv/min/GBq、試作X線防護メガネ(厚み2倍)で10.32±0.20μSv/min/GBq、厚み3倍で8.51±0.20μSv/min/GBqとなった。また、線量低減率は、従来のX線防護メガネの19.8%に対して、試作X線防護メガネ(厚み3倍)で45.0%となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、コンピュータシミュレーションを用いて鉛ガラスの厚み(鉛当量)について検証を行い、試作試作X線防護メガネの作成と核医学治療用核種であるI-131に対する効果を検証した。現在は、PET用核種であるF-18に対する鉛ガラスの厚み(鉛当量)と効果について検証を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
PET用核種であるF-18に対する評価を進めると同時に、鉛ガラスの組成について新たにコンピュータシミュレーションで検証を進める予定である。また、次年度は2024年11月に予定している第44回日本核医学技術学会総会で発表する予定である。
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Causes of Carryover |
コンピュータシミュレーションに時間を要したため、X線防護メガネの作成と放射性同位元素による実測評価が予定より遅れている。また、試作したX線防護メガネの重量と視認性について評価できておらず、これらを考慮したX線防護メガネの設定や作成が必要となる。今後は新しいX線防護メガネの試作や評価に必要な実験消耗品に使用する予定である。
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