2023 Fiscal Year Research-status Report
内的要因により駆動されるてんかん発作リスクの可視化に向けた基礎評価系の開発
Project/Area Number |
23K11981
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Research Institution | Komatsu University |
Principal Investigator |
北浦 弘樹 公立小松大学, 保健医療学部, 教授 (80401769)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | てんかん / 電気生理 / キンドリング |
Outline of Annual Research Achievements |
難治てんかん患者であっても常に発作を生じているわけではなく、なぜ突然てんかん発作が始まり、どのように終息するのか、という問題は未だ不明である。病理学的に多様な素因としての「てんかん原性」を獲得した個人に、さらになんらかの 内的・外的要因による「発作原性」が加わることで、「てんかん発作」が生じると一般に考えられている。 てんかん発作の発現において、不眠やストレスは大きな危険因子であることが知られている。そこで、飼育環境を人工的に制御して不眠ストレスを加えたラットにおいて、扁桃体電気刺激キンドリングモデルによる発作発現に与える影響を検討した。キンドリング手続き中に明暗リズムをランダムに乱した群(ストレス群)と12時間周期の規則正しいリズム(コントロール群)に分けて飼育した。ストレス群の環境下で飼育したラットは血中コルチゾール値の高値を認めた。 右側扁桃体に定位的に刺激電極を留置し、刺激側の扁桃体・反対側の運動野・視覚野から電場電位記録を行った。電気刺激は300μA, 50Hz, 1sの双極性刺激を1回/日行った。14日間のキンドリング手続きにおいて、最終的に発作発現に至る個体はストレス群の方が有意に多く(71% vs 40%)、また、発作発現に至るまでの期間も短かった。発作発現に至る前から、扁桃体・運動野において経時的に暫増する後発射を認めたが、それはストレス群の方が持続時間が有意に長かった。 以上の結果から、てんかん原性および発作原性を獲得する過程においては、ストレスの影響が強く作用することを動物モデルにおいて実験的に確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
キンドリングモデルが完成し、環境要因の与える影響も当初の予定通りの結果が得られているため、おおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定通り、光刺激による内因性発作誘発モデルの作製に着手する。また、抗てんかん薬について、てんかん原性と発作原性に区別して、その作用機序を確認する実験を進めていく。
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