2023 Fiscal Year Research-status Report
A Study on the Representation of the Amusement Park in Contemporary American Literature
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23K12126
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Research Institution | Wayo Women's University |
Principal Investigator |
坪野 圭介 和洋女子大学, 国際学部, 准教授 (80884246)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 遊園地 / 大衆文化 / アメリカ文化 / アメリカ文学 |
Outline of Annual Research Achievements |
該当年度には、研究対象である遊園地・テーマパークの表象に関してアメリカ合衆国の大学・図書館・博物館での現地調査を行い、資料収集を行った。とりわけニューヨークにおける貴重資料の閲覧・分析によって、コニーアイランドを中心とした遊園地のもつ文化的意義や歴史的文脈を調査することができた。 また、具体的な実績として、ジョージ・ソーンダーズを中心に、O・ヘンリー、F・スコット・フィッツジェラルド、ジョン・バース、カレン・ラッセル、スティーヴン・ミルハウザー、ナナ・クワメ・アジェイ=ブレニヤーなどの作品に触れながら、アメリカの19世紀末から現代に至るまでの多くの作家が、どのように遊園地・テーマパークを表象してきたかについて、日本アメリカ文学会東京支部にて学会発表を行った。さらに、本研究が主な対象とする現代のテーマパーク研究の土台となる、20世紀転換期の遊園地表象について著書を出版した。著書においては、当時の都市において遊園地が文化史的にもっていた意義を考察するとともに、マリエッタ・ホリー、T・S・エリオット、シオドア・ドライサー、スティーヴン・クレイン、カール・サンドバーグ、F・スコット・フィッツジェラルド、W・E・B・デュボイスなどの作家の都市表象のなかに、いかに遊園地のイメージや象徴性を読み取れるかを分析した。 上記の内容を通して、文化研究と文学研究を接続しつつ、本研究の骨格を成果として示すことができたと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
資料調査に加え、研究成果を学会発表および著書として公開できたため、当初の計画を越えるペースで研究が進んだ。内容に関しても、主な研究対象である現代のテーマパーク表象についての調査と、その土台となる20世紀転換期の遊園地に関する調査の両方を進めることができ、一定の成果にまとめることができたため、想定した計画よりも進展があった。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究によって本研究の骨格を示すことができたため、今後はさらなる現地調査を行うとともに、具体的な作品分析を進め、理論的な枠組みを構築しながらテーマパーク表象のあり方を多角的に分析する。また、文学作品以外の映画などの分析を行うことで、研究対象を拡げることを目指す。 現在まで、ニューヨーク州の遊園地コニーアイランドの分析が主となっていたため、今後は西海岸の遊園地や、遊園地の手法を取り入れた娯楽施設などにも着目し、テーマパークの文化的理解をさらに深める。
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