2023 Fiscal Year Research-status Report
状態受動文を生成しうる動詞の語彙的な意味特徴の特定
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23K12165
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Research Institution | Osaka University of Economics |
Principal Investigator |
野間 砂理 大阪経済大学, 経営学部, 准教授 (70724970)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 状態受動文 / 動作受動文 / 過去分詞の素性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ドイツ語の状態受動文における過去分詞の素性「形容詞性 vs. 動詞性」という未解決の学術的な問いを出発点とする。先行研究のように動詞を恣意的に限定せず、網羅的に調査することで、母語話者が状態受動文の文法性を判断する際の拠りどころとなる意味的特徴を特定することが本研究の目的である。 初年度は、Levin(1993)による動詞の意味分類を参考に、まずは調査対象となる動詞群(Verbs of Combining, Attaching, Separating, Disassembling, Change of Cutting, Creation, Transformation, Obtaining, exchange)を選んだ。次に、これらの動詞群に属すると考えられる動詞を辞書(DUDEN)から収集し、その動詞の過去分詞が用いられている4つの構文(現在完了形・動作受動文・状態受動文・コピュラ構文における過去分詞形形容詞)をコーパス(COSMAS II)で収集した。ドイツ語の状態受動文と過去分詞を持つコピュラ構文の表層構造は同じであり、ドイツ語母語話者にとってもその判別は難しい。そのため、とりわけ判別が難しい状態受動文とコピュラ文の仕分けに注意しながら意味上の差異を考察した。現時点では、Maienborn(2007, 2009)が状態受動文における過去分詞が表す結果状態はあくまで行為としての一時的な状態であるとの分析結果を提示しているが、それだけでは状態受動文の生成の可否は判断できないことが判明した。この調査結果は2024年度に論文として発表予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
勤務先を移籍し、専門外である「欧州のビジネス」の講義の準備に時間を要し、研究に十二分な時間を確保することができなかった。2024年度は研究の時間を優先的に確保する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は調査対象となる動詞の抽出、その後、コーパスを用いてその動詞の過去分詞が用いられている構文の収集、それらのデータの分類と、意味特徴の分析を行った。2024年度はこれらの分類結果をもとに、状態受動文の生成の可否がどのような意味特徴に依拠するのかを特定する必要がある。 本研究テーマは、ドイツ語母語話者に取り上げられることが多いため、新しい先行研究の考察も必要である。
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Causes of Carryover |
本研究の申請をした当時は沖縄在住であったため、出張費(旅費や宿泊費等)は全て沖縄から本土への移動費を計上していたが、4月に関西の大学に移籍し、学会等が関西で開催されたため、出張費が不要となった。 2024年度はこの経費で最新の研究論文や書籍を購入予定である。
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