2023 Fiscal Year Research-status Report
The Developmental Mechanisms of Second Language Lexical Processing: A Psycholinguistic Study Using Homographs
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23K12182
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
三木 浩平 近畿大学, 理工学部, 講師 (00815681)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 語彙処理 / 文理解 / 発達的変化 / 同綴異義語 / 第二言語 |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究概要】本研究では、英語を第二言語とする日本人英語学習者が、同じ綴りであるにも関わらず複数の意味を持つとされる同綴異義語(homograph)に対して持っている心内での語彙的知識と、その同綴異義語を英文読解時に視覚的に認知する際の認知処理過程が、言語への繰り返しの接触によってどのように発達的に変化するのかを検証する。特に、言語的な接触量が限られている外国語環境で英語を学習する日本人英語学習者に焦点を当て、同綴異義語に対する心内の語彙的知識とその認知処理過程の発達的変化を検証することを通して、究極的には第二言語における文理解時の語彙処理能力の発達過程を解明することを目指す。
【令和五(2023)年度実施内容】令和五(2023)年度では、本研究により関連があると思われる第二言語習得、語彙処理、リーディングに関する先行研究を参照しつつ、関連する理論や先行研究の実験結果を整理することを行った。そして、今後の調査として実施する心理言語学的実験の具体的手法の検討、実験材料の選定、実験プログラムの検討と確認を行った。また情報収集として国内外の学会にも出席し、関連分野の動向を確認することができた。
【意義,重要性】 本研究では今後、日本人英語学習者が同綴異義語を認知的に処理する際の語彙処理速度の変化を検証することを目的として実験を実施していく予定であるが、実験手法や実験材料等について内容を検討し、計画が一定量進んだことは、特に今後の研究の進展に関連して意義、重要性があったと思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
調査として実施する心理言語学的実験のデザインの検討、実験素材の選定と作成に予定よりも大きく時間を要したため。
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Strategy for Future Research Activity |
令和六(2024)年度では日本人英語学習者の英文読解時における同綴異義語の認知処理について、調査を進めることを予定している。収集できたデータの分析に基づいて、理論的考察を深め、研究成果を国内外の学会において報告する。またその後、国内外のジャーナルへ投稿し最終的な成果を公表することを目指す。
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Causes of Carryover |
研究計画の実行が遅れたことによって、当初参加予定であった各学会の研究大会への参加を見送ったことや、実験参加者への謝金支払いが発生しなかったことによって未使用額が生じた。令和六(2024)年度では、今後実施予定である調査に未使用額を充てると共に、各学会の研究大会への参加、各ジャーナルへの投稿準備にも未使用額を充てる。
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