2023 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23K12187
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
三宅 俊浩 宇都宮大学, 共同教育学部, 助教 (20777354)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 可能 / 当為 / 必要 / 義務 / 必然 / 複合辞 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本語当為表現を見渡すと、可能表現が条件節を伴って当為表現化したものが散見される。本研究では、可能表現と当為表現の歴史的関連性について明らかにすることを目的としている。その研究計画に基づき、本年度はカナフをとりあげて「デハカナフマジ」の歴史について明らかにした。 否定条件節デハとカナフマジは、当初はデハで条件を設定し、カナフマジで「不可能である」ことを述べる複文であった。しかし、カナフマジ(不可能)は常に実現が望まれる事態の非実現を述べるため、カナフマジという結果になることを避けようとする心理が働く。カナフマジはデハ節の帰結として起こる事態なので、デハ節それ自体をも避けようとする心理が働くと考えられる。このように、「不可能」という文法的意味が必然的にもたらす語用論的意味が作用し、デハ節の事態を行う必要性の主張へと変化したと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
4か年計画を立てており、全体でカナフ系当為表現、ナル系当為表現、イク系当為表現の歴史を記述することを目的としている。今年度はカナフ系、そのうちデハカナフマジのみをテーマとし論文化した。決して計画以上の進度ではないが、計画よりも遅れているわけでもない。残り3か年で、当初の計画通りに遂行できそうな見通しを得ている。
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Strategy for Future Research Activity |
デハカナフマジは二重否定形であるが、前件が肯定形である「(シ)テハカナフマジ」も存在する。今後は前件が肯定形のタイプの記述も進めていく必要があり、その方針はナル系・イク系にも適用できる。
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Research Products
(2 results)