2023 Fiscal Year Research-status Report
The Historical Transition of Japanese Subordinate Clauses - With a Focus on Causal Clauses
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23K12192
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
北崎 勇帆 大阪大学, 大学院人文学研究科(人文学専攻、芸術学専攻、日本学専攻), 准教授 (00847949)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 日本語学 / 日本語史 / 条件表現 / 原因・理由表現 / 言語接触 / 漢文訓読 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、以下の成果公表を行った。上記概要に示した通り、本研究は原因・理由表現の検討を中心に行うことを目的としているが、従属節を構成する形式の生成プロセスを、より広範に検討するため、原因・理由以外の表現を担う形式についても、2,3のような形で扱うこととした。 1. 現代語でいう「なぜならば」に相当する表現が平安期の漢文訓読に由来し、抄物を中心とする講義体の資料の中で発達してきたことを解明した。(「「不定語疑問文の主題化」の歴史」『日本語文法』23(2)、2023年9月、第6回 日本語文法学会論文賞を受賞) 2. 日本語において従属節を構成する形式の素材の類型化を行い、「関係節に由来するもの」「完結節の並置に由来するもの」「既存形式の形態素境界の再分析によるもの」の3種に集約されることを論じた。(「日本語史における節連結の類型」令和6年度大阪大学国語国文学会、2024年1月6日) 3. 2の発展的課題として、「決勝戦はおろか、一回戦も勝てなかった」のような「~はおろか、~」構文が、「~はおろかなり。」という節の並置を前提としつつ、類義的副詞「もちろん」の影響を受けて成立したことを論じた。(「副詞的に機能するコピュラ文―「~はさらなり」「~はおろか(なり)」―」「通時コーパス」シンポジウム2024、2024年3月10日) このほか、日本語学会2023年度春季大会のシンポジウム「情報技術と大規模テキスト資源がひらく日本語史研究」の企画・コメント(2023年5月21日)も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記の研究概要に示した通り、本研究は概ね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、上記概要に示した2,3の原稿化を行いつつ、当初の研究計画に沿って研究を推進する。
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Research Products
(8 results)