2023 Fiscal Year Research-status Report
Developing Intercultural Activities for Future English Teachers
Project/Area Number |
23K12227
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
山本 大貴 信州大学, 学術研究院教育学系, 助教 (90880344)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 異文化理解教育 / 英語教員養成 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目標は、英語教員志望の大学生の「文化について英語で議論する力」の向上に資する活動(異文化理解ディスカッション)を開発することである。研究1年目の2023年度は、パイロットスタディとして大学の授業で実際に活動を繰り返し行い、アンケートにより参加者26名の感想を調査した。その結果、「異文化理解ディスカッションにより、文化相対主義の立場に立って異文化を解釈する力が向上した。」という項目の平均値が4.77、「異文化理解ディスカッションにより、英語を話したり書いたりする力が向上した。」という項目の平均値が4.19、「異文化理解ディスカッションは楽しかった。」という項目の平均値が4.65 (いずれも、5: そう思う、1: そう思わない の5件法)と非常に高くなった。自由記述式の質問でも、「テーマが私たちの日常生活に関するものであり、経験に基づいて考えることができて、自分の生活を改善していくようなテーマがとてもよかったと感じた。」「普段は持たない視点を異文化理解ディスカッションを通して持つことができた。また、それを英語で行うことで、将来海外に行ったときに日本について紹介するときや、海外から留学生が来たときなどの準備になった。」などの肯定的な感想が多くみられた。その一方で、改善点として「ライティングの修正がない。文法や語彙があっているかどうかわからない。」など、英語に関する指導をより充実させてほしいという要望もみられた。 また、異文化理解教育に精通している他大学の教員に授業を参観してもらい、活動に関する助言を得た。その結果、目標をより明確にし、その目標が達成できたか振り返る時間を設けることで、活動がさらに効果的なものになる可能性があることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1年目となる2023年度は、2024年度の本調査に向けて、異文化理解ディスカッションの内容を確定させることを目指した。アンケート調査や、他大学の教員からのフィードバックにより、本活動が効果的なものである可能性が高いことが示された。さらに、よりよい活動に改善するための示唆も得られた。その結果、予定通り2024年度に本調査を実施することが可能となった。効果測定方法に関する文献調査については当初予定していたほど時間を費やすことができなかったのは反省点であるが、それに関しては2024年度も継続して取り組み、2025年度以降のより精緻な効果検証につなげていきたい。以上の理由から、本研究はおおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目となる2024年度は、2023年度の成果を基に改善した活動を大学の授業で実施し、効果検証する。まず、参加者の「文化について英語で議論する力」の伸びを確認するために、活動実施前と実施後にパフォーマンステストを行う。活動前後のパフォーマンスを、異文化理解(ある文化に対する過度な一般化を避けているか、ある文化について様々な視点から考察できているか、など)と英語の観点から評価し、統計的に比較する。くわえて、活動実施後にアンケート調査を行い、参加者が活動についてどのような感想を持ったかや、成長を実感できたか等について検証する。これらの研究成果を学会で口頭発表するとともに、論文にまとめて学会誌に投稿する。 さらに、2024年度の結果を踏まえて2025年度以降の研究計画を策定する。大学生を対象とした研究の成果を応用し、高等学校の英語の授業などでも異文化理解力を高める言語活動が行えないか検討する予定である。
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Causes of Carryover |
計画では、異文化理解教育の専門家(他大学の教員)からの助言を得るために、旅費を使用する予定であった。しかし、それを他の業務(他大学での非常勤講師)と合わせて実施できたので、旅費がかからなかった。 2024年度に行うデータ分析や論文執筆に関して、英語教育や異文化理解教育に詳しい研究者から助言をいただくことを計画しており、そのために必要な支出をする予定である。
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