2023 Fiscal Year Research-status Report
今川了俊関係史料の分析による室町幕府地方支配の研究
Project/Area Number |
23K12273
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
堀川 康史 東京大学, 史料編纂所, 准教授 (80760280)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 今川了俊 / 南北朝内乱 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究計画は九州探題今川了俊関係史料の分析を通じて、室町幕府地方支配の現場について明らかにしようとするものである。1年目にあたる2023年度は、今川了俊関係史料の収集と花押の編年研究を進めるとともに、関係史料の原本調査・撮影を実施した。また、一族・家臣に関する再検討を行い、その一部は、内々の研究会ではあるが「入来院家文書」の研究会にて報告した。 具体的な研究成果として、2023年5月の歴史学研究会大会・中世史部会において「室町幕府支配体制の形成と展開」と題する報告を行い、今川了俊の探題解任とその後の九州情勢を、室町幕府支配体制に及ぼした影響に注目しながら論じた(『歴史学研究』1041号掲載)。また、「駿遠地域と今川氏」と題する論考を寄稿した谷口雄太編『東海の中世史2 動乱の東海と足利一門』(吉川弘文館)が間もなく刊行予定である。 2023年度は九州における南北朝内乱についての博物館展示が2件開催され、研究代表者もこれに協力した。まず、都城島津伝承館(宮崎県都城市)で開催された『北郷氏誕生 南北朝・室町時代の都城』(7月29日~10月1日)では、「南九州の南北朝内乱と都城」と題する講演を行った。次に、鹿児島県歴史・美術センター黎明館(鹿児島県鹿児島市)で開催された特別展『南北朝の動乱と南九州の武士たち』(9月29日~11月5日)では「九州探題今川了俊と南九州情勢」と題する論考を寄稿したほか、「南九州の南北朝内乱と九州探題今川了俊」と題する講演を行った。 このほか、関連する研究成果として、『アジア遊学289 海外の日本中世史研究 「日本史」・自国史・外国史の交差」(勉誠社)を編集(共編)・出版し、英語圏における南北朝時代(14世紀史)研究の動向・特徴を紹介する論考等を執筆した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度は、今川了俊関係史料の収集、花押の編年研究、原本調査・撮影等を計画通り進めることができただけでなく、博物館展示への協力を通じて研究成果を発表することができたため、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度以降は当初の計画通り、2023年度の調査を基礎としながら具体的な検討に着手し、その成果を口頭報告・論文のかたちで順次公表を進める予定である。また、今川了俊探題期を含む南北朝時代の九州についてまとめる機会を与えられたことから、そのための執筆準備も行う予定である。
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Causes of Carryover |
2023年度は2件の招待講演(先方旅費負担)を行い、それに合わせて南九州での史料調査・研究会参加を実施した。また、今年度から所属先内部の競争的資金に採択され、2024年1月の史料調査・撮影(於福岡)の経費をそこから支出することができた。以上の理由により、当初計画より科研費の使用を節約することができた。次年度に繰り越し、史料調査・撮影のため有効に活用したいと考えている。
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Research Products
(7 results)