2023 Fiscal Year Research-status Report
日本海軍の「軍神」・戦争をめぐる顕彰活動―地域社会・廃兵器に注目して―
Project/Area Number |
23K12285
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Research Institution | Fukui National College of Technology |
Principal Investigator |
木村 美幸 福井工業高等専門学校, 一般科目(人文系), 助教 (40881066)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Keywords | 海軍 / 顕彰 / 慰霊 / 廃兵器 / 軍神 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、顕彰にかかわる論点として、佐久間勉の検討を進めた。特に地域における顕彰活動の前提となる佐久間勉がなぜ海軍中央で顕彰されたかについて研究した。この結果、佐久間勉は遺書を書いたことによって顕彰されたと考えられていたが、遺書が発見される以前から顕彰活動が開始されていたことが明らかになった。これは潜水艇という当時最先端技術の導入期にある中で、乗組員志望者を確保するために行われていた。これらの内容は飛行機搭乗者に対する待遇と合わせて後に制度化されることになった。しかし、靖国神社への合祀だけは見送られ、戦死者との間の待遇差は残ることになった。この成果をふまえた上で、福井地域で佐久間勉がどのように顕彰されたかを検討したい。なお、本成果については来年度論文として掲載予定である。 本科研で取り組む予定である廃兵器については、『中日新聞』からの取材を受けた。社会的にも関心が高いテーマであることを認識したので、今後研究を進めていきたいと考えている。 戦後の自衛隊についても海軍の顕彰活動に関与していることから、自衛隊関係の資料収集も合わせて行った。まだ具体的な方向性はみえていないが、今後も史料収集を継続したい。 また、以前行っていた観艦式の研究も、海軍の顕彰や地域の関係に関わる論点であり、この点について再度検討を進めた。その結果、1930年観艦式における大阪・神戸・海軍の関係について明らかにすることができた。その成果を論集に論文として発表することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究成果も出すことができ、資料も収集することができたため、概ね順調に推移している。ただし、それらの資料の分析はやや遅れており、今後分析を進めていきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
軍神についての研究をある程度まとめた上で、来年か再来年度には本格的に廃兵器の研究について進めていきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
残額が2万円以下と少額であるため、本年度無理に使い切るよりも来年度の予算と合わせて執行した方が合理的であると判断したため。来年度の出張旅費や購入予定のPCの購入費用の一部にあてたいと考えている。
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Research Products
(1 results)