2023 Fiscal Year Research-status Report
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23K12454
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
田村 翔平 関西学院大学, 経済学部, 専任講師 (10802035)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | メカニズムデザイン |
Outline of Annual Research Achievements |
複数の構成員からなる集団において複数の異なる役割が存在し、その分担を構成員による主観的な相互評価に基づいて決定するための制度の設計可能性を考察するモデルにおいて、自分の担当する役割が他者の評価によってのみ決定され、自分の他者への評価の影響を受けないことを保証する公平無私条件と呼ばれる公理を満たす制度が設計可能であることを具体的な制度を設計することで明らかにした。また複数の構成員からなる集団において1人の構成員を構成員による主観的な相互評価に基づいて選出するための制度の設計可能性を考察するモデルにおいて、自分が選出されるか否かが他者の評価によってのみ決定され、自分の他者への評価の影響を受けないことを保証する公平無私条件と呼ばれる公理および単調性と呼ばれる望ましい公理を同時に満たす制度として先行研究において提案がなされている複数の具体的な制度の間で比較を行い、これらの制度の間に存在する共通点を明確にしたうえで、その共通点を持たない制度が存在し得るかどうかについての考察も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
複数の構成員からなる集団において複数の異なる役割が存在し、その分担を構成員による主観的な相互評価に基づいて決定するための制度の設計可能性を考察するモデルにおいて、公平無私条件を満たす制度が設計可能であることを明らかにすることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
複数の構成員からなる集団において複数の異なる役割が存在し、その分担を構成員による主観的な相互評価に基づいて決定するための制度の設計可能性を考察するモデルにおいては、本年度に設計を行った制度をベンチマークとして、この制度が満たす公理および満たさない公理を整理し、特に満たさない公理についてはそれらを満たすことのできる制度が設計可能であるかどうかを考察する。複数の構成員からなる集団において1人の構成員を構成員による主観的な相互評価に基づいて選出するための制度の設計可能性を考察するモデルにおいては、公平無私条件および単調性を同時に満たす制度の集合を演繹的に導出することが可能であるかどうかを考察する。
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Causes of Carryover |
当初の計画における旅費の支出額と実際の旅費の支出額に差が生じたため次年度使用額が生じている。次年度使用額については2024年度における旅費の支出に充足する。
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