2023 Fiscal Year Research-status Report
The Impact of Robotization on Occupational Wage Inequality
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23K12498
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Research Institution | Research Institute of Economy, Trade and Industry |
Principal Investigator |
足立 大輔 独立行政法人経済産業研究所, 研究グループ, 研究員(特任) (70961530)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Keywords | Industrial Robots / Robot Prices / Substitution Elasticity / Wage Polarization |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、アメリカにおけるロボットの普及が職業間の賃金格差と福祉に与える影響を分析した。特に、日本からのロボットの導入コストのデータを用いて、ロボットコストの削減が特定のルーチン職種の賃金と雇用に逆効果を及ぼすことを示した。これは、職業内でのロボットと労働者の代替可能性が高いことを示唆している。これに基づき、職業内での労働とロボットの代替を前提とした均衡モデルを構築し、代替弾力性を推定した。その結果、生産および物流関連職種では、ロボットと労働者間の代替弾力性が非常に高く、これが賃金格差の拡大に寄与していることが分かった。また、ロボット購入に対する課税の導入が長期的には実質所得を減少させる可能性があることも示唆された。
この研究は、ロボット導入が米国の賃金の極端化に及ぼす大きな影響を明らかにし、ロボットと労働の間の高い代替弾力性を特定の職業群で特定した。さらに、ロボット税が国の総福祉に与える影響についての理解を深めるための分析も行い、政策立案における洞察を提供している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実証・理論分析を進め、ドラフトの第一校を完了させることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、カンファレンス等に参加し、そこでのコメントをもとに、追加分析や投稿に向けた準備を進める予定である。
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Causes of Carryover |
物品費が想定より少なかったため。10万円弱程度の額であるため、次年度以降の旅費等のバッファとして用いる計画である。
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