2023 Fiscal Year Research-status Report
XBRL環境下の情報開示における拡張項目の使用が資本市場に及ぼす影響
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23K12588
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
金 奕群 早稲田大学, 商学学術院, 講師(任期付) (20879449)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | XBRL / 機械学習 / BERT |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,2014年3月期から2023年36月までの決算短信のXBRLデータを利用して,拡張項目の使用に関して調査を実施した。決算短信は,サマリー情報と添付資料により構成され,前者の中では,拡張項目がほぼ使用されていない。添付資料の中では,財務諸表情報が含まれており,財務諸表においては,平均的に400個以上の項目が使用されているが,拡張項目の平均値は10を下回っている。一方,拡張項目が個別企業独自に使用したものであるため,全項目の中で8割以上が拡張項目であることがわかった。 本年度は,上記の調査に加えて,拡張項目の機械的処理に関して,BERT(Bidirectional Encoder Representations from Transformers)の適用を試みた。2024年の1月に,「BERT-Based Prediction Model of Management Sales Forecast Error Using Japanese Firms' Earnings Meeting Transcripts」を海外学会で発表し,プロシーディングの中で論文として公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
XBRLのデータ整理と拡張項目の使用に関する調査は,2023年度中に概ね完成した。現在,分析に使用可能なデータベースにしている。なお,BERTの実装に関しても,一定の経験を積んだ。今後の作業は,データに分析手法の適用と予想している。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度中は,すでにパイロットテストを開始した。具体的には,機械学習の手法を適用して,決算短信のXBRLデータをインプット情報として,株価の変化を予測している。その結果によると,項目の「重なり」が多いサマリー情報を使用する場合,予測精度が高く,「重なり」の程度が低い財務諸表情報を使用する場合,ノイズが増加した可能性があるため,予測精度が低くなっている。今後は,予測に適する変数の選択と機械学習の手法に関するチューニングを実施する予定である。
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Causes of Carryover |
当初に計画した一部の企業に関する拡張項目の調査に関しては,外部の専門家にヒアリング・インタビューを予定したが,今年度に実施することにしたため,次年度使用額が発生した。
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