2023 Fiscal Year Research-status Report
マスメディアとソーシャルメディア上の相互行為におけるカテゴリー化・ユーモア・差別
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23K12627
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Research Institution | Aichi Shukutoku University |
Principal Investigator |
岡沢 亮 愛知淑徳大学, グローバル・コミュニケーション学部, 助教 (70966960)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | メディア / エスノメソドロジー / 会話分析 / ユーモア / 成員カテゴリー化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、マスメディアとソーシャルメディア上で行われる相互行為において、参与者が自他を性別・人種・民族・セクシュアリティなどに基づき分類する「成員カテゴリー化実践」に焦点を当てる。エスニック・ジョークに典型的なように、同じ成員カテゴリー化実践が、ある人々にとってはユーモラスなものとして楽しまれるのに対し、他の人々にとっては差別的なものとして非難されることがある。そこで本研究は、エスノメソドロジー・会話分析の方法論的態度の下で、成員カテゴリー化実践の帰結としてユーモアと道徳的問題(差別等)が同時に生じる相互行為的メカニズムを明らかにすることを目指す。その際には、各メディアの参与枠組がカテゴリー化実践の展開と理解をどのように方向付けているかについても分析を行う。こうした作業を通じ、ユーモアと差別という学術的・社会的に注目に値するトピックに対して、相互行為分析的なアプローチの有効性を示す。 2023年度は、成員カテゴリー化実践、メディア上の相互行為、ユーモアと差別の関係性をめぐる先行研究を収集し、社会学・言語学・メディア研究・コミュニケーション研究領域におけるこれまでの議論の展開を整理した。その中で、成員カテゴリー化実践の分析方法論に関しても、カテゴリー化と性質の帰属(attribute ascription)の区別やカテゴリー化の取り消し可能性等を中心に検討を行った。また、マスメディア・ソーシャルメディアにおいて、参与者によるカテゴリー化実践がなされ、それが他の参与者によってユーモラスなものや道徳的に問題あるものとして捉えられている実際の相互行為データを収集した。データの分析結果に関して、国際学会で報告を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
先行研究の収集と検討、成員カテゴリー化分析の方法論に関する検討は基本的に首尾よく進んでいる。データ収集に関しては、本研究の対象となる現象が見られるマスメディア・ソーシャルメディア上の相互行為データの書き起こしを進めている。分析に関しても、萌芽的な段階であるが進めており、総じて現時点での進捗に大きな問題はないと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
データ収集と分析に関しては、相互行為参与者間において成員カテゴリー化実践がユーモアと道徳的問題の双方を引き起こしているケースの収集を続け、体系的に現象を把握するとともに相互行為の展開パターンの差異にも注意する。分析をさらに進め論文化し、国際査読誌への投稿を中心に、その成果の公表を目指す。
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Causes of Carryover |
本研究課題の方法論や分析に関する新刊英語書籍を購入予定だったが、研究代表者の転出手続きの関係上、支出時期を早める必要があったため、少額の次年度使用額が生じた。 次年度(2024年度)は、上記書籍購入や国際学会発表旅費、論文投稿前の英文校閲等に助成金を使用する予定である。
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