2023 Fiscal Year Research-status Report
地域における社会事業の展開過程 ー市町村及び地区(小圏域)での展開を中心にー
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23K12666
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Research Institution | Josai International University |
Principal Investigator |
橋本 理子 城西国際大学, 福祉総合学部, 准教授 (70567247)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 産業組合 / 住宅組合 / 方面委員制度 / 埼玉県 / 静岡県 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、「各地域で発生する生活問題に、支え合いの仕組み(社会福祉)はどのように対応し、社会や時代の変化と共にどのように展開したのか?その背景にはどのような地域の文化や地域的事情があったのか?」という問いの一端を解明することを目指ものである。具体的な研究課題として、① 社会事業が形成や展開時に人々の生活と社会事業はどのように影響し合ったのか。② より人々に身近な圏域である市町村レベルでは、国家等よる政策を地域の中にいかに浸透させていったのか。③ 生活を取りまとめる圏域において、社会事業が形成される前にいかなる地域の仕組みが人々の生活課題を解決していたのか。それがいかに社会事業化され、人々の生活にいかなる影響をあたえたのか。という3つの課題を掲げた。 2023年度は、地域の支えあいの仕組みの一つとして、埼玉県豊岡村における各種組合の実態の解明、住宅組合の展開の解明及び社会事業としての意義の考察を行った。そのための史資料を国会図書館及び埼玉県公文書館にて実施した。また、住宅組合の展開に関する研究は社会福祉の領域ではほとんど取り組まれておらず、建築史等の領域の文献の講読に時間を要した。 これらの検討により、課題の一つとして掲げた、「生活を取りまとめる圏域において、社会事業が形成される前にいかなる地域の仕組みが人々の生活課題を解決していたのか。それがいかに社会事業化され、人々の生活にいかなる影響をあたえたのか」を検討する手がかりを得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
従来社会福祉の領域で検討されてこなかった住宅組合の展開に取り組むに当たり、他の研究領域の文献講読に時間を要し、当初計画していた埼玉県秩父郡の資料収集に取り組むことができなかったが、課題の一つとして掲げていた、「生活を取りまとめる圏域において、社会事業が形成される前にいかなる地域の仕組みが人々の生活課題を解決していたのか。それがいかに社会事業化され、人々の生活にいかなる影響をあたえたのか」を検討する手がかりを得ることができたことから「おおむね順調に進展している。」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、秩父地域及び静岡県伊豆地域の地域資料の収集を実施するとともに、2023年度の成果である住宅組合に関する報告を実施する予定である。 また、当初の計画通り、埼玉県における小圏域での社会事業の展開の解明を行い、その結果を参照しつつ社会事業形成以降における埼玉県を単位とした社会事業の展開の解明を目指す。その際、方面委員及び埼玉共済会の活動に焦点を当てて検討する予定である。
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Causes of Carryover |
新たな研究テーマを開拓したことから他の研究領域の文献講読に時間を要し、当初計画していた各地域への資料収集のための出張を2024年度に実施することと計画変更をしたためである。また、複写費を計上していたものの、今年度収集した資料の多くが写真撮影での複写となり、複写費の使用が当初予定より少なかったことにより、次年度使用額が生じることとなった。
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