2023 Fiscal Year Research-status Report
Exploring the trends and perceptions of diversified scholarly publishing for dialogue across disciplines
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23K12845
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
井出 和希 大阪大学, 感染症総合教育研究拠点, 特任准教授(常勤) (60796275)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 学術出版 / 学術情報流通 / オープンアクセス / 出版動向 / 研究(者)倫理 / 研究公正 / ELSI/RRI / 対話 |
Outline of Annual Research Achievements |
学術出版の動向を定量・定性の両側面から把握すべく取り組みを進めた。具体的には、1)粗悪な学術誌・学術集会(Predatory Journals & Conferences)の特性を国際的な動向を踏まえて認識・理解するための書籍や資材の制作・公開、2)生成AIの位置付けの整理、3)プレプリントの公開動向を分析するためのデータ収集を行った。1)は、国内外140以上の科学アカデミー等が加盟するInterAcademy Partnership(IAP)と連携した取り組みとして展開し、『粗悪な学術誌・学術集会を拡げないために(増補版)』として出版した。それだけでなく、学術論文の投稿先選定において参考となるThink. Check. Submit.の日本語版『論文投稿先検討のためのチェックリスト(2023年6月版)』についても作成し、機関リポジトリを介して公開・頒布した。併せて、学術誌の質(よしあし)を二値的に判断することの危うさを既存のデータベース、ウォッチリストの特徴から指摘した論考を執筆した。これらを通して、多様なコミュニティへのリーチを図った。2)は、オーサーシップについてInternational Committee of Medical Journal Editors(ICMJE)の基準を参考に比較・考察したことに加え、より広い視野で(主に倫理的・社会的観点から)生成AIが社会に及ぼす影響を分析した。3)は、科学技術振興機構(JST)が2022年3月に運用を開始した本邦のプレプリントサーバであるJxivを対象とした。収集したデータは、プレプリントの公開動向を経時的に把握する上で役立つ。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要に示した通り、多面的に進捗している。成果は、学術論文、論考や学会発表に留まらず書籍や資材として公開することで、社会還元も図っている。得られた情報、データの分析も進めつつある。これらを踏まえ、「(2)おおむね順調に進展している」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の成果を踏まえ、二値的な判断に拠らずリスクベーストに学術誌の質を考えるための資材を開発する。加えて、取得したデータの分析を継続することで、当該課題における取り組みを推進・深化させる。
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Causes of Carryover |
研究実施プロセスの都合、次年度使用額が生じた。今後の取り組みにおいて、情報収集、分析、発表等の情報共有、情報発信などで有効に活用する。
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