2023 Fiscal Year Research-status Report
Developing a Computer-Adaptive Test to Measure Second-Generation Scientific Literacy
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23K12848
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
中村 大輝 宮崎大学, 教育学部, 講師 (90839094)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 科学的リテラシー / 条件制御能力 / コンピューター適応型テスト / 項目反応理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は科学的リテラシーの1つである条件制御能力を測定するコンピューター適応型テスト(Computer-Adaptive Testing; CAT)の開発に取り組んだ。アメリカ科学振興協会(American Association for the Advancement of Science; AAAS)によって開発された調査項目(21項目)と新規開発した項目(1項目)を用いて条件制御能力を測定する調査冊子を構成し、中学生416名(中1:136名,中2:140名,中3:140名)を対象としたオンラインモニター調査を実施した。次に得られたデータに対して、項目反応モデルの1つである2パラメータ・ロジスティックモデルを当てはめ、周辺最尤推定法によって項目パラメタを推定した。このような手続きで得られた項目パラメタに基づき、コンピューター適応型テストを構築した。開発したテストはオンライン上に誰もがアクセスできる形で実装した。実装に際しては、条件制御能力の4領域(Plan, Identify, Interpret, Understand)からバランスよく出題されるようなアルゴリズムを導入し、測定の妥当性を高める工夫を行った。 従来のコンピューター適応型テストは基礎的な知識を測定する問題がほとんどであり、本研究のように科学的な思考力を問う問題を開発したことには重要な意義があると考えられる。また、コンピューター適応型テストの技術を用いることで、従来よりもより少ない問題数で高精度の測定が可能になる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
技術的な問題からオンラインモニター調査の実施がやや遅れたものの、コンピューター適応型テストの実装が予定よりも早く完了したことで、研究はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、条件制御能力以外の科学的リテラシー(1.科学に対する興味・関心・態度、2.科学の性質に関する理解、3.科学が関わる社会問題に対して意思決定を行う能力など)を測定するコンピューター適応型テストの開発に取り組む予定である。また、研究成果の公表に取り組んでいく。
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