2023 Fiscal Year Research-status Report
Educational Effect of Peer Support in University
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23K12884
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Research Institution | Kanazawa Seiryo University |
Principal Investigator |
永井 暁行 金沢星稜大学, 教養教育部, 准教授 (90824045)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | ピアサポート / 大学教育 / 学生支援 / 学修支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,大学教育におけるピアサポートプログラムの効果について,プログラムを運営する大学 (教職員) の視点と参加する学生の視点の両者から検証することであった。ピアサポートプログラムとは,同じ仲間による支援およびその体制であり,大学教育では学生が同じ立場の学生を支援する制度や活動を指す。ピアサポートプログラムの効果として,学生へのサポート体制の充実や同じ立場からの支援が保障されるという支援効果だけでなく,サポートする側の学生に意識変容や種々の成長といった教育効果が期待されている。本研究はこれらの効果の検証を目的とした。そのために,ピアサポートプログラムの運営に関わる教職員へのインタビュー調査と,ピアサポートプログラムに参加する学生への追跡調査を行うことを目標とした。 2023年度は,上記調査を実施するためにピアサポートプログラムに関与している教職員との連携や調査協力を依頼するための相談を行うことができた。特に,北海道札幌市で開催された学生ピアサポーターの合同研修会であるぴあのわに講師として参加し,研究成果をピアサポート活動に参加している学生に還元するとともに今後の調査協力を依頼するための関係づくりを行うことができた。 また,インタビュー内容やインタビューを分析する際の視点を多様にするため,「ケア」に関する議論を追った。主に「もうひとつの声で──心理学の理論とケアの倫理 (Gilligan, C. (著) 川本・山辺・米 (訳) 風行社,2022)」を購読し,ピアサポートにおける「ケア」の視点について考える必要性を整理した。この議論は2023年日本発達心理学会東海地区シンポジウム「生涯発達のなかでの『ケア』の多様性と共通性を探究する」に話題提供者として登壇することで深められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画では2023年度にインタビュー調査を開始する予定であったが,家庭内の事情および能登半島地震等により2023年度からの開始が困難になった。 ただし,ピアサポートに関する先行研究の整理や,本研究の位置づけの批判的な検証はインタビュー調査ができなかった分の時間を使って進めているため「やや遅れている」という評価に至った。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は引き続き,ピアサポートについての先行研究を整理し,同時に「ケア」を含む隣接領域の議論との関係を整理していく。また,2024年度から具体的な調査実施に向けて各大学との連絡を密にしたい。 ただし,2024年度は育児休業取得予定のため,さらに研究遂行が遅れることが見込まれる。
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Causes of Carryover |
2023年度の研究活動においては,主に文献のレビューと論文の執筆,およびこれらに基づく研究計画の批判的な検討を行った。そのために,調査協力者への謝礼やインタビュー調査による各地への出張回数が少なくなった。これにより予定よりも使用額が少なくなり,次年度使用額が生じた。 次年度以降は,次年度使用額を用いて各地の大学へのインタビューや視察を積極的に行う。また,研究成果を海外雑誌にも積極的に投稿し,これの掲載費用にもあてる。
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