2023 Fiscal Year Research-status Report
A systematic study of the role of digital communication in adolescent identity development
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23K12890
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Research Institution | Matsuyama University |
Principal Investigator |
日原 尚吾 松山大学, 経営学部, 准教授 (20868244)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | アイデンティティ / デジタルコミュニケーション / 青年 / 情報通信技術 / ナラティブ / 縦断研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
この研究の目的は,情報通信技術を用いた現代青年のデジタルコミュニケーションが,青年期の課題であるアイデンティティ発達に果たす役割を,複数の研究によって明らかにすることであった。2023年度における主な研究成果は3つある。第一に,研究1の一環として,中学生と高校生約1200名を対象とする縦断調査 (1年間隔) を実施し,これまでのデータと合わせて3時点のデータセットを作成することができた。これによって,青年のデジタルコミュニケーションとアイデンティティ発達の縦断的な関連性を明らかにする準備が整った。第二に,この縦断データセットの1時点目を使用して,オンラインでの向社会的行動 (例えば,他者を励ます言葉をかけるなど) がアイデンティティの発達と関連することを明らかにした。この研究は,オンラインでの他者との肯定的なやりとりが青年のアイデンティティ発達に寄与することを示すものであり,今後のこの分野の基礎を築く重要な役割を果たすと考えられる。この論文は,査読付き国際誌『Frontiers in Psychology』に掲載され,オープンアクセスとして世界に公開された。第三に,大学生約100名に対して面接調査を行い,彼らのアイデンティティとデジタルコミュニケーションについての自己語りを収集した。これによって,研究2において検討する,アイデンティティ発達につまずいた際に,デジタルコミュニケーションからアイデンティティ発達への示唆を得ることができるのかを明らかにするための準備が整った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
2023年度の目的は2つあった。第一の目的は,青年のデジタルコミュニケーションとアイデンティティ発達が互いにどのように関連するのかを明らかにするために,縦断調査を実施することであった (研究1)。当初は2時点目までのデータ収集をする予定であったが,計画以上に進み,3時点目までのデータを集めることができた。現在は,この縦断データを用いて分析を行うための準備を進めているところである。そのため,第一の目的については,当初の計画以上に進んでいると評価できる。第二の目的は,青年がアイデンティティ発達につまずいた際に,デジタルコミュニケーションから手がかりを得てアイデンティティの発達に役立てる機序を検討するために,自己語りのデータを収集することであった (研究2)。大学生約100名に対して面接調査を行い,彼らのアイデンティティとデジタルコミュニケーションについての自己語りを収集することができた。したがって,第二の目的についても,当初の計画通り順調に進んでいると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度の目的は3つある。第一の目的は,これまでに収集した縦断データを用いて,青年のデジタルコミュニケーションとアイデンティティ発達の相互の縦断的な関連性について分析し,その成果をまとめて査読付き国際誌に投稿することである (研究1)。青年のオンラインでの自己呈示のあり方や,他者との比較,他者への援助・被援助が,アイデンティティの発達を促進すると考えられる。第二の目的は,本年度に得た青年の自己語りのデータを用いて,青年がデジタルコミュニケーションから手がかりを得て,アイデンティティの発達に役立てる機序を明らかにすることである (研究2)。具体的には,デジタルコミュニケーションを通して「異なる社会に生きる他者の人生」を取り入れている青年がアイデンティティを発達させていることを,自己語りを評定することで明らかにする。第三の目的は,デジタルコミュニケーションによるアイデンティティ発達への介入支援の効果を検討するために,データ収集の準備をすることである (研究3)。介入支援の具体的内容の検討および,研究参加者にアプローチするための方法を検討する。
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Causes of Carryover |
研究1の縦断調査において、前回調査からの脱落があり、対象者が予定よりも若干少なくなったことで、調査の委託費が安くなったことが原因である。次年度、この研究の成果公表のための旅費やオープンアクセス費等に充てる予定である。
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[Presentation] Parental identity processes across cultures: Exploring personality, well-being, and work identity2023
Author(s)
Elizabeth Morgan, Maya Cohen-Malayev, Shogo Hihara, Kamil Janowicz, Konrad Piotrowski, Luzelle Naude, Satoko Saiga, Elli Schachter, Kazumi Sugimura
Organizer
The 29th annual conference of International Society for Research on Identity
Int'l Joint Research
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[Book] 宗教が拓く心理学の新たな世界 なぜ宗教・スピリチュアリティが必要なのか2023
Author(s)
松島公望, 大橋明, 川島大輔, タカハシマサミ, 浦田悠, 森本真由美, 藤井修平, 久保隆司, 島井哲志, 小笠原將之, 武田正文, 相澤秀生, クリーグ波奈, 今城志保, 矢吹理恵, 河村諒, 大村哲夫, 日原尚吾 他
Total Pages
301
Publisher
福村出版
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[Book] あなたの経験とつながる教育心理学2023
Author(s)
杉村伸一郎, 三宅英典, 浅川淳司, 柳岡開地, 池田慎之介, 近藤綾, 近藤龍彰, 日原尚吾, 山根嵩史, 德岡大, 小澤郁美, 及川智博, 水野君平, 遠山孝司, 田中光, 村上太郎
Total Pages
225
Publisher
ミネルヴァ書房