2023 Fiscal Year Research-status Report
月経前不快気分障害発症における生物学的因子と心理社会学的因子の関与
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23K12900
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
森下 千尋 東京医科大学, 医学部, 講師 (70936559)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 月経前不快気分障害 / うつ病 / 小児期虐待 / 被養育体験 / 神経症的特質 / 対人関係敏感性 / 特性不安 / 抑うつ的反すう |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 2023年度には、まず、うつ病を含む一般成人を対象に実施した質問紙調査データを用いて、小児期の養育体験、虐待、いじめが対人関係敏感性、神経症的特質、特性不安、抑うつ的反すうへの影響を介して、成人期のうつ症状を悪化させ、ウェルビーイングを低下させるという仮説を検証した。以下のような結果が得られ、小児期のストレスが他の因子とともに複合的に成人期のうつ症状に影響することが明らかとなった。 ・小児期の低養育、過保護は、対人関係敏感性や否定的ライフイベント(成人期ストレス)を増強し、間接的に、成人期のうつ症状を増強する。 ・小児期のいじめは、特性不安を増強し、さらに抑うつ的反すうを増強することにより、間接的に、成人期のうつ症状を増強する。 ・小児期の虐待は、神経症的特質への影響を介して、間接的に、成人期のウェルビーイングを低下させる。 2. 月経前不快気分障害(以下、PMDD)は抑うつ症群に分類され、うつ病と共通した病態基盤を持つと想定されている。うつ症状に関しての上記発見を考慮し、PMDDを含む一般成人女性を対象に実施した質問紙調査データを用いて、小児期の被虐待体験が神経症的特質への影響を介して、PMDD症状を増強するという仮説を検証している。また、PMDD症状による機能障害に着目し、小児期の被虐待体験、神経症的特質の影響を一般成人女性において検討している。小児期の被虐待体験、神経症的特質が複合的に成人期のPMDD症状及び機能障害に影響することが明らかとなりつつある。さらに、今後は卵巣ホルモンの測定を行い、生物学的要因の関与についても検討していきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
多数のデータを集め、多変量解析によりうつ病及び月経前不快気分障害にとって重要な所見が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
多数のデータを集め、うつ病と心理社会的因子の関連、月経前不快気分障害(以下、PMDD)と心理社会的因子の関連を検討し、うつ病とPMDDの共通した心理社会的背景が示され、うつ病とPMDDが共通した病態基盤を持つことが裏付けられつつある。研究はおおむね順調に進展していると言えるが、2023年度は生物学的要因の関与について検討できなかった。今後は、研究計画にも記載されている通り、生物学的要因の関与について検討を行い、研究成果を得たい。
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Causes of Carryover |
(理由)うつ病に対する心理社会学的因子の影響、月経前不快気分障害に対する心理社会学的因子の影響については、順調に検討できている。しかし、生物学的要因の関与については、追加で医学倫理審査委員会の承認を得る必要があり、時間を要し、調査できなかった。そのため、年度内に支出しきれなかった。しかし、年度をまたぐ研究であるため、次年度に継続する研究において使用する予定である。
(使用計画)データ収集のための消耗品、謝礼、論文発表に経費を使用する予定である。
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