2023 Fiscal Year Research-status Report
自閉スペクトラム症傾向のある女子の幼児期・学童期前期における表現傾向と支援方法
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23K12902
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Research Institution | Shiraume Gakuen University |
Principal Investigator |
沼田 あや子 白梅学園大学, 子ども学部, 特任講師 (50866283)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 自閉スペクトラム症 / ジェンダー |
Outline of Annual Research Achievements |
自閉スペクトラム症傾向のある女子研究についての国内、海外の文献を集め、最新の研究動向をまとめた。そのなかでも、幼児期にしばしば見られる、排泄(トイレ)にまつわる問題は、研究が十分とはいえないことがわかった。知的障害を伴う自閉スペクトラム症のある女児の身辺自立として扱う研究(Leader,et.al,2018)、衛生観念の欠如として扱う研究があるのみであった。しかし、社会的・心理的要因がある可能性については示唆されていた(Leader, et.al,2018)。また、自閉スペクトラム症のある女子研究において、Hendrickx(2015)が、トイレ問題を抱えるASD女子生徒が多いことを指摘しているが、要因までは十分に考察されていなかった。 それらの先行研究をふまえて、支援実践におけるいくつかの事例では、他者と関係を築く過程での心理的葛藤の表れとしてトイレ問題があるという可能性が見られ、今後調査を進めて行く。 現在、本研究の研究協力者を募り、インタビュー調査のためのインフォームドコンセントを進めているところである。並行して、日本発達心理学会第35回大会シンポジウムにおいて、発達特性が強く集団適応が難しい女児のトイレにまつわる問題の事例報告をおこない、検討をおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2023年度は所属大学の任期が終了する年度であり、異動に伴う準備により、研究時間が十分もてなかった。また、異動により居住地が変わったため、すでに候補に挙がっていた研究協力者へのインフォームドコンセントとインタビューは長期休暇時に限られることになり、進捗が遅れることになった。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度の夏に、インタビューを実施する予定である。その後、年度内に分析を進め、学会で発表し内容を精査し、次年度には論文化する予定である。
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Causes of Carryover |
2023年度は、所属大学異動に伴い、研究時間が十分に取れず、調査協力者への依頼が遅れ、旅費、人件費・謝金を使用しなかったため、次年度使用額が生じた。2024年度は、インタビュー調査をおよそ9回おこなう予定であるため、その旅費(京都―東京間往復)と、インタビュー調査協力者への謝金(最大9名分)を使用する予定である。その後、インタビューデータの文字起こしを業者(もしくはアルバイト)に依頼する予定であるため、そのための費用も生ずる予定である。分析と並行して、日本発達心理学会での発表を計画している。そのための旅費も使用する予定である。
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