2023 Fiscal Year Research-status Report
Analysis of noncompactness of the Trudinger-Moser inequalities and related properties
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23K13002
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
橋詰 雅斗 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 助教 (20836712)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 変分問題 / 非線形楕円型方程式 / 最大化関数 / 基底状態解 |
Outline of Annual Research Achievements |
2次元全空間変分問題に関して、Sobolev不等式やTrudinger-Moser不等式を統一的に扱うことができる非線形項における変分問題に関する研究を行った。具体的に、Sobolevノルムを正規化する変分問題を考察し、その変分問題を達成する最大化関数の性質についての研究を行った。変分問題を達成する最大化関数は対応するEuler-Lagrange方程式の解となるが、さらに基底状態解になっているということを明らかにした。証明の際に、まずDirichletノルムを正規化する変分問題とEuler-Lagrange方程式の基底状態との関係を調べ、その結果を用い今回の結果を得たため、上記の結果と同時にDiriculetノルム正規化の変分問題の最大化関数と対応するEuler-Lagrange方程式の基底状態解との関係性も得られている。一方で、逆は一般には成り立たないこと、つまり、非線形楕円型方程式の基底状態解で対応する変分問題の最大化関数にならないものの例も発見した。これらの結果から、変分問題の最大化関数とEuler-Lagrange方程式の基底状態解に関して、最大化関数は基底状態解にはなるが同値性は成り立たないことが明らかになった。 またこの結果を用い、変分問題における最大化関数の一意性への応用や発展方程式への応用なども考察した。また結果の拡張の一つとして、高次元Sobolev空間に関する変分問題の考察も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今回得られた結果を用いることにより、研究課題に関連する新たな結果が得られることが予想されるため、おおむね順調に進展していると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き今回得られた結果を用いて、変分問題における最大化関数の一意性への応用や発展方程式への応用を行っていく予定である。また、高次元への拡張も考察する予定である。今回得られた結果は2次元特有の性質を用いているため、高次元では別の手法が必要であると予想される。 また、指数型非線形項を持つ楕円型方程式の解のDirichletノルムに関する一様有界性の研究も行いたいと考えている。この一様有界性に関する結果は冪型非線形項では既に得られており、実際に解に関して一様有界であることが得られている。この冪型非線形項での手法の応用から着手する予定である。
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Causes of Carryover |
年度途中の転出等により想定よりも使用額が少なくなったため。
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Research Products
(6 results)