2023 Fiscal Year Research-status Report
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23K13023
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
上原 悠槙 関西大学, システム理工学部, 准教授 (00822545)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 確率過程の統計 |
Outline of Annual Research Achievements |
非正規確率過程の一種である student-t Levy 過程により駆動される連続時間回帰モデルにおける回帰・スケールパラメータと自由度パラメータの推定法の構成とそのシミュレーション手法の実装を行なった。推定法は, student-t Levy 過程の局所 Cauchy 近似に基づく擬似最尤法による回帰・スケールパラメータの推定と, 擬似最尤推定量により構成した残差に基づく自由度パラメータの推定という段階型の推定法を考案し, 一致性や漸近正規性といった漸近的性質を明らかとした。さらに, student-t Levy 過程は畳み込みによって分布が閉じていないため, 特性関数の Fourier 逆変換による累積分布関数の近似に基づく乱数生成手法を構成し, 上記の推定手法と合わせて実装を行なった。 これらの結果は現在国際誌へ投稿中である。
また, カーネル関数の非正規レヴィ過程による確率積分で定義される移動平均型のモデルの統計理論構築に着手した。本モデルはカーネル関数の表現を変えることで, 例えば, 連続時間移動平均自己回帰モデル (CARMAモデル) やフラクショナルレヴィ過程といった重要なモデルを表現できる。具体的には, 時系列モデルで広く用いられているスペクトル密度に基づくWhittle型の擬似尤度による推定法の理論的性質を考察するとともに, シミュレーションにより推定精度を数値的に確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通り非正規確率過程に駆動される回帰モデルの漸近理論構築ができ, さらに連続時間移動平均自己回帰モデル (CARMAモデル) を含む重要な移動平均型のクラスの統計理論構築に着手できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
非正規確率過程により駆動される回帰モデルに対して, 罰則項付きの擬似尤度を用いた際の推定量の挙動を明らかにする。 また, 引き続き移動平均型のモデルについて, Whittle 型の擬似尤度に基づく推定量の漸近理論を構築する。加えて, 駆動確率過程が安定過程のように高次モーメントを持たない場合の推定法や, 漸近最適性に関する研究を行う。
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Causes of Carryover |
情報収集のための学会やセミナー参加を予定していたが, オンラインでの参加となったため差額が生じた。 次年度使用額については, 研究成果の発表のための外国出張の予算へ充てる。
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