2023 Fiscal Year Research-status Report
Experimental study of voltage-induced prewetting transition in mixed solvents
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23K13073
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
植松 祐輝 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 准教授 (30830111)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 電気二重層 / 混合溶媒 / イオン / 電解質溶液 / 電気化学 / 界面化学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題で取り組む学術的な問いは外部印加電圧で制御される電気化学界面系において、コロイド表面の溶媒組成やイオンの不均一分布の記述で成功を収めているソフトマター物理学的な自由エネルギーによる記述ができるのか。また、単純系において実験的に電圧誘起型のプレウェッティング転移の観測をすることに挑戦し、その予測・制御が可能な理論を構築できるかを検討することである。 今年度は、1-プロパノールと水の混合溶媒系で、様々な電解質を加えたときのアルミニウム電極上の電気二重層の静電容量計測をした。まずは開回路での静電容量をインピーダンス測定により計測し、水とアルコールの混合比をさまざまに変えて、その振る舞いを調べた。 その結果、水が含まれている場合(水の体積分率0.1から1.0)では静電容量が混合比にほとんど依存しないのに対し、1-プロパノールのみでは、静電容量の値が低下することが分かった。電極表面上の溶媒分子で電気二重層容量は定まるので、このことは水分子がアルミニウム電極上に選択的に吸着しているということになる。 また、様々な塩の種類と濃度で実験をしたところ、すべての試料で、この水分子の電極への選択的吸着を示した。したがって、この現象は水・アルコールの混合溶媒がアルミニウム電極といった親水性表面で水分子の選択的吸着を普遍的に示していることを示唆する。 本研究成果は溶媒の分離抽出といった工業的利用だけでなく、コロイド界面化学や電気化学といった基礎的学問分野においても重要な知見であり、米国化学会の J. Phys. Chem. C 誌に11月に掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
開回路での混合溶媒の電気二重層構造について、溶媒分子の選択的吸着を解明し、論文として出版することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、電圧制御下の電極表面上で、同様の溶媒分子の選択的吸着が、どのように電圧の影響を受けるのかということを中心に調べる予定である。
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Causes of Carryover |
初年度は、開回路での静電容量計測が順調にすすみ、電圧制御の実験系を構築するまえに論文成果発表できることになり、論文執筆に時間を割いたため、実験系構築に必要な支出を翌年度に遅らせたから。 次年度は電圧制御が可能な実験系構築に繰越予算を使用する予定である。
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Research Products
(3 results)