2023 Fiscal Year Research-status Report
自由エネルギー反応経路探索法を利用した薬剤分子の膜透過シミュレーション手法の開発
Project/Area Number |
23K13074
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
満田 祐樹 大阪公立大学, 大学院理学研究科, 助教 (70866251)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 分子シミュレーション / 自由エネルギー計算 / 反応経路ネットワーク / 生体膜 / 薬剤設計 / Nudged Elastic Band |
Outline of Annual Research Achievements |
研究計画で設定した3つのステップ①膜透過係数計算手法の完成②高次元空間に対する反応経路ネットワークを効率よく計算する手法開発③反応経路ネットワークの解析手法開発に対して、本年度の研究は①膜透過計算手法の完成を中心に行った。具体的には、新しいアンブレラサンプリング手法の開発を行い、精度を確保しながらより安定的に自由エネルギー地形を計算できる基盤を形成した。この内容については、現在のところ国際雑誌に論文を投稿中である。現在のところ、水の膜透過計算といったシンプルな計算に対して検証できており、薬剤分子の膜透過計算にも対応できるよう手法を調節する段階である。②反応経路ネットワークを効率よく計算する手法開発については、プログラムの内容を見直すことで、より広範囲に反応経路ネットワークを計算することができる方法へと改良した。これによって、より複雑な自由エネルギー地形に対する対応が可能となった。また、検証段階であるFentanylとその類似体の計算が完了し、実験との相関があることを調べることができた。このないようについては論文を執筆中である。これらに加えて、NEB法を改良したNESB法を開発し、論文発表した。この手法は自由エネルギー地形の計算へ適用することが可能であり、反応経路ネットワークとは違い1経路しか計算できないが、この得られた経路を起点として反応経路ネットワーク探索をすることによって、より効率的に膜透過現象を解明することができる。これらの結果から、今後の研究への第1段階を進めることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画で設定した3つのステップ①膜透過係数計算手法の完成②高次元空間に対する反応経路ネットワークを効率よく計算する手法開発③反応経路ネットワークの解析手法開発に対して、本年度の研究は①膜透過計算手法の完成と②高次元空間に対する反応経路ネットワークを効率よく計算する手法開発について、当初の予定通り研究を進めることができた。また、NEB法を改良したNESB法を開発し、論文発表した。この手法は自由エネルギー地形への応用に適しており、今後の研究へ重要な寄与をすると考えている。また、Fentanylとその類似体の計算が完了し、実験との相関があることを調べることができた。これらのことから、本研究テーマは概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究で、新しいアンブレラサンプリング手法の開発を行い、精度を確保しながらより安定的に自由エネルギー地形を計算できる基盤を形成したため、これを膜透過計算へ応用していく計画である。その際に、我々の開発したNESB法を使用することで、より効率的に計算のできる研究へと発展させる。また、Fentanylとその類似体の膜透過計算の結果を論文にまとめて発表する。これらの段階を踏んだ上で、計算を適用する薬剤分子の種類を増やす。
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Causes of Carryover |
旅費として執行する予定であった3月の出張が、新型コロナに罹患してしまいキャンセルとなったため、その分の費用が次年度へと繰り越しとなった。この費用は次年度の物品購入費用として使用する計画である。
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Research Products
(6 results)