2023 Fiscal Year Research-status Report
Disruption prediction based on time-series model for real-time control of fusion plasma
Project/Area Number |
23K13089
|
Research Institution | National Institutes for Quantum Science and Technology |
Principal Investigator |
横山 達也 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 那珂研究所 先進プラズマ研究部, 博士研究員 (10907231)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
|
Keywords | 核融合プラズマ / ディスラプション / MGI / JT-60U / JT-60SA / 異常検知 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではデータ駆動的手法によりディスラプション発生予知モデルを作成し,ディスラプション緩和のための不純物入射をトリガするシステムを構築することを目的としている.令和5年度は主に,ディスラプション発生予知モデルの構築とその動作検証を実施した. まず,時系列モデルに基づく異常検知モデルを実装した.モデルは,各時刻のデータの安定な状態からの逸脱度合い(異常度)を計算し,異常度がしきい値を超えた際に異常の発生と判定する.放電ごとに安定な状態を学習してそこからの逸脱を検知するため過去の実験データを学習する必要がなく,外挿性が高いという特徴をもつ.また,逐次処理が可能であるため将来的な実時間制御への適用が容易である. 過去の実験データへの依存をさらに減らすため,動的しきい値最適化アルゴリズムによって異常度のしきい値が放電中に最適化されるように工夫した.また,複数のプラズマパラメータを異常検知に用いることで,誤検知を減らす工夫をしている. 次に,トカマク型プラズマ実験装置JT-60Uにおけるディスラプション放電のデータを収集し,作成した異常検知モデルの動作・性能を確かめた.令和5年度は,ネオンガス入射によって人為的にディスラプションを発生させた6放電を対象とした.これらの放電に上記の異常検知モデルを適用したところ,すべての放電で時間的余裕を持ってディスラプションの発生を検知することができた.複数のプラズマパラメータの異常度を比較することで,異常検知時にどのパラメータの変化が支配的であるかを可視化し,ディスラプション発生時のプラズマの状態の議論に役立てることができた.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
異常検知モデルの実装は完了し,実験データへ適用してディスラプション発生を事前に検知できることを確認できた.また,開発した手法がディスラプション発生時のプラズマの状態の議論に役立てられることを示した. 上記の成果は国内学会で発表したが,令和5年度は論文として発表するには至らなかった.
|
Strategy for Future Research Activity |
まず,JT-60SA統合コミッショニング運転におけるディスラプション放電に作成したモデルを適用し,より多くの放電でモデルの性能を検証する.また,手法の開発とその検証を論文としてまとめる. また,これまでに,複数のプラズマパラメータを予知に用いることで誤検知を低減できることは示したが,パラメータの組み合わせを最適化できていない.スパースモデリングの手法を活用してパラメータ選択手法を開発する.
|
Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由:論文投稿を令和6年度以降に持ち越したため.また,当初予定していた国際学会発表でのとりやめたため. 使用計画:国際学会参加のための旅費
|