2023 Fiscal Year Research-status Report
潮汐矮小銀河中の分子雲衝突現象から解明する星形成が起きるための普遍的な物理条件
Project/Area Number |
23K13142
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
前田 郁弥 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 特別研究員 (40973243)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 分子雲 / 衝突銀河 / 潮汐尾 / 星形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
潮汐矮小銀河は銀河同士の衝突の際にHIガスの一部が潮汐力によって放出されてできる潮汐尾(Tidal Tail)に沿って誕生した星形成活動が活発な低質量銀河であり、特殊な環境における分子雲衝突現象を調べるのに適した天体の一つである。この特殊な環境における分子雲衝突の性質を調べる準備研究として、野辺山45mを用いて、衝突銀河アンテナ銀河の潮汐尾を対象にCO(J=1-0)輝線の観測を行った。その結果、星形成が見られる領域だけでなく見られない領域でもCO輝線を検出し、分子ガスが存在することを明らかにした(Maeda+24)。この野辺山観測の結果を受けて、この領域の分子雲の性質と分子雲衝突の性質を調べるためのALMA望遠鏡を用いたCO(2-1)フォローアップ観測が実行中である。さらに、 他の衝突銀河Stephan’s Quintetを対象としたACA CO(1-0)観測も実行中である。また、本研究と相補的である、普通の円盤銀河や衝突銀河本体での分子雲衝突研究も共同研究として進行中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通り野辺山45mを使った観測とALMAでのフォローアップ観測が進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、野辺山45mとALMA望遠鏡を使って潮汐矮小銀河及び衝突銀河のCO観測を行い、分子ガスと星形成の関係の調査を進めていく。
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Causes of Carryover |
本年度は想定より野辺山45mの観測時間が少なく抑えることができたため、使用料が少なくなったため繰越金が生じた。本年度は、潮汐矮小銀河及び衝突銀河の大規模観測を計画しており、それに伴う望遠鏡の使用料として使う。また、海外での研究成果発表のための交通費が予想より高くなっているため、それに充てる。
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[Presentation] 潮汐矮小銀河の分子ガスの性質 12023
Author(s)
前田 郁弥, 江草芙実, 河野孝太郎, 辻田旭慶, 井上修平, 廿日出文洋, 太田耕 司, 浅田喜久, 井上真, 濤崎智佳, 小麥真也, 金子紘之, 藤本裕輔, 羽部朝男, 小林将人
Organizer
日本天文学会2023年秋季年会
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