2023 Fiscal Year Research-status Report
大気物理学と情報科学の視座に基づく台風の直径を決定する要因の解明
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23K13169
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
神山 翼 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 講師 (40845715)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Keywords | 台風 |
Outline of Annual Research Achievements |
台風のデータを整理していく中で、竜巻の進行状況と台風に関する興味深い結果が得られたため、本年度はそれを優先して解析を行なった。現在までの年代も含めて新しいデータベースを作成した結果、年代や季節、場所に関わらず、6-8割の竜巻が北東方向に進行していた。先行研究と同期間、その後の期間の独立なデータで定性的な結果が変わらなかったので、北東方向への偏りは偶然ではなく、理由があることが示唆される。特に、多くの移動分布図は北東方向のなかでも東に偏っているなか、台風に伴う竜巻は極端に北に偏っている様子が見られた。また竜巻発生時の風向との相関を確認し、積乱雲と共に風に流されているという仮説を検証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画とは少し異なるものの,台風と竜巻に関する科学的に興味深い研究結果が得られているため。
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Strategy for Future Research Activity |
スケールの小さい竜巻現象において現在使用している風向データの解像度での検証が妥当かどうか、また、竜巻の発生地点や台風性であることの信頼性を確認できるか、観測報告の曖昧さをどのように排除するかが課題となっている。今後は、正確な場所が判明していたり、親雲となる積乱雲が特定できる事例についての解析を進め、竜巻の進行方向と風や台風の関係について考察を深めていく。
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Causes of Carryover |
研究代表者が一時的に体調を崩し,当初の計画よりも出張等が減った。加えて,当該年度に投稿した論文の査読結果が芳しくなく,論文出版が来年度以降に持ち越しとなった。研究代表者の体調が回復したことで次年度から出張等が増え,また論文も出版が見込まれることから,出張費や論文掲載費として使用する予定である。
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