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2023 Fiscal Year Research-status Report

石筍の高精度U/Th年代モデルに基づいた極端気象現象史の解明

Research Project

Project/Area Number 23K13178
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

平林 頌子  東京大学, 大気海洋研究所, 講師 (40835641)

Project Period (FY) 2023-04-01 – 2028-03-31
Keywords石筍 / 放射性炭素年代測定 / 降水量変動復元 / 滴下水
Outline of Annual Research Achievements

本研究課題では、石筍試料を用いたマルチプロキシ分析に基づく局地的降水量変動復元を実施し、日本における過去の極端気象現象イベントによる集中豪雨史を明らかにすることを目指す。日本における集中豪雨史を解明するためには、東アジアモンスーン変動による降水量変動と局地的な降水量変動を切り離して議論することが必須である。2023年度は、東アジアモンスーン変動を記録していると考えられる鹿児島県与論島・赤崎鍾乳洞にて調査を行い、洞窟内の気温、湿度、二酸化炭素濃度の測定を行った。また、赤崎鍾乳洞にて石筍試料を5本採取し、採取した石筍試料付近にて滴下水の採取も行った。さらに与論島における水循環変動を議論するため、与論島内において雨水と地下水試料の採取も行った。
採取した石筍および水試料は、東京大学大気海洋研究所のシングルステージ型加速器質量分析装置を用いて放射性炭素年代測定を実施した。その結果、石筍試料は過去1万年から現在にかけて成長を続けていたことが判明し、完新世の東アジアモンスーン変動復元に適切な試料であることが確認された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

本年度は出産に伴う産休・育休を取得したため研究活動期間が5ヶ月未満しかなく、また育休復帰後も育児のため研究活動時間を十分に取ることができなかった。2023年度の休職前に与論島・赤崎鍾乳洞にて採取した石筍や滴下水試料を用いて、2024年度は研究を継続する。

Strategy for Future Research Activity

2023年度に採取した石筍試料および滴下水の化学分析を進める。2023年度は与論島・赤崎鍾乳洞で採取した石筍の放射性炭素年代測定を行ったが、2024年度は滴下水の放射性炭素年代測定および酸素同位体比測定を進め、それらが降水量変動復元のための適切な代替指標であるか検討する。また、今年度は石筍の高精度年代決定のため、マルチコレクター型ICP-MSを用いたU/Th年代測定システムの立ち上げも行う。得られた成果を学会にて発表し、国際雑誌へ論文を投稿する。

Causes of Carryover

2023年度は出産に伴う産休・育休を6ヶ月間取得し、また育休復帰後も育児のため研究活動時間を十分に取ることができなかったため、当初予定していた野外調査や化学分析を行うことができなかった。2024年度は、2023年度に採取した石筍試料および水試料の化学分析を行うため、その化学処理や分析に必要な実験器具類、試薬類の購入のために物品費が必要である。また、得られた研究成果を学会にて発表するための旅費が必要である。成果を国際雑誌に投稿するために、英文校閲費や印刷費が必要になる。

  • Research Products

    (1 results)

All 2024

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results)

  • [Journal Article] U-Th年代測定法の原理と近年の研究例2024

    • Author(s)
      Hirabayashi Shoko、Aze Takahiro、Yokoyama Yusuke
    • Journal Title

      RADIOISOTOPES

      Volume: 73 Pages: 173~185

    • DOI

      10.3769/radioisotopes.73.173

    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2024-12-25  

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