2023 Fiscal Year Research-status Report
金属配線付き基板を段差導入なく平坦にする純水を用いた持続可能な精密研磨技術の開発
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23K13234
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤 大雪 大阪大学, 大学院工学研究科, 助教 (70910678)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 超精密表面研磨加工 / 金属配線付き基板 / Cu / Ru |
Outline of Annual Research Achievements |
金属配線付き基板の平坦化に申請者が独自に開発した研磨技術である触媒表面基準エッチング(CARE)法の適応を提案している.本手法では触媒作用を示す金属薄膜が成膜された研磨パッドと加工対象物を加工液(主に純水)中で接触させ,相対運動させる.この時,触媒と高頻度で接触する基板表面の凸部が優先的にエッチングされる.金属配線付き基板の表面は金属,酸化物が混在するが上記の加工特性により,各材料のエッチング速度に影響されずに高精度平坦面を取得できる.2023年度はCARE法による金属のエッチング特性調査および酸化チタン膜の生成方法及びその特性評価を進めた.加工対象は現在主流となっている配線金属Cuおよび次世代配線金属として期待されているRuとした.各金属を陽極酸化させ,CARE法を施したところエッチング痕を確認できた.一方で触媒膜を成膜していない研磨パッドを使用して,同様の加工を実施したところ,金属のエッチングは確認されなかったことから,Cu,Ruを機械的なダメージなく処理できることを明らかにした.また,基礎実験装置として金属膜を酸化させる機構を取り付けたCARE法用装置を立ち上げた.また,当初の予定には含まれていなかったが,絶縁膜として利用される有機物のエッチング特性についても評価を進め,十分に平坦化できることを示すことができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Cu,Ruのエッチング特性を完了できた.また,当初の予定にはなかったが絶縁膜として利用される有機膜のエッチング特性についても評価を進めることができ,金属配線付き基板の表面平坦化におけるCARE法の優位性を示すことができた.一方で,成膜装置の整備に手間取り,パッドに成膜する予定の酸化チタン膜の成膜条件やラジカル生成特性評価を進めることができなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
酸化チタン膜の成膜条件の探索およびラジカル生成の確認を最優先事項として進める.その後,当初の計画通りにその場での金属の表面酸化およびエッチングを,金属膜付きウエハを使用して評価する.また現在,手配を進めているCu配線付き基板が届きしだい,加工特性評価を進める.
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Causes of Carryover |
装置の立ち上げに際して必要だった部材が想定よりも安価で入手できたため.ただし今後実験状況に応じて装置の改良が必要になるてめ,随時これに補填する.
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